以前ほどではありませんが、「アベノミクス効果は一部の人のものであり、一般人の感覚とはずれている」という話をまだ聞くことや話をする人がいます。個人的には、アベノミクス相場が始まったと噂されてから1年が経って、アベノミクス効果の範囲はかなり広がったと思います。
確かに得意満面の人は少ないかも知れませんが、例年に比べて、今年の年越しは「明日をどうすべきか」と不安に思う人の数は大分少なくなってきたと思います。一人当たりの残業量も、仕事の求人も増えて、雇用に対する懸念が薄れてきたからです。
紅葉で観光地には人があふれ、その人たちの顔ぶれは生活にゆとりのある特別な人たちばかりではなくなってきました。振り返れば、2012年の夏頃は日本にとって最悪の状況でした。ほとんどの日本人は政治にあきれ、景気の回復なんて予想だにせず、暗く過ごしていました。
当時は名前はあえて挙げませんが、万年強気で鳴る評論家たちが白旗を揚げて、「日本はもう駄目だ。見込みはない」と先行きを暗く見切ったほど光が消え失せていました。
「明けない夜はない」と励まし合って、やっと訪れたアベノミクス相場に危うさを感じながらも、「オドラにゃ損損!!」と切り換えてきた人には良い一年になりました。
お風呂の湯のように、焚き上げの途中は暖かい部分と冷たい部分が生じます。特に、投資を考える人は冷たい部分だけを見ずに、暖かくなっている部分や、すでに熱い部分はないかと変化に敏感である必要があると思います。
この期に及んでも、未だに「冷たい部分」しか見ようとしない人は投資に向きません。ただし、「自分は臆病すぎて失敗した」と後悔がある人は自分を責める必要はありません。儲かってはいないけど、実害はなかったわけですから、今後、ぬるい部分がなくなって、熱くなり、とても湯の中に入っていけなくなる過程をじっくり観察しましょう。次回の良い相場が来たときに役立つ知恵になります。くれぐれも、「えい、やっ!!」と覚悟もなく飛び込んでやけどだけを残すことはないように・・・
もし熱いと知りながらも入るなら、少しだけお湯をかけ、ソロリソロリと足を入れていくものです。頭から入っていけません。投資で有終の美を飾るためには、確信の無い行動は避けたほうがいいでしょう。
「投資はやってみなければわからない」と言う人あれば、なぜもっと前に声をかけてくれなかったのかとチクリと言ってあげてください。