上がる理も時至らねば上がらない!!

 株式相場の質がどんどん悪くなっています。参加者は減っていき、売買代金は食傷気味。少額でも利益が期待できるIPO銘柄投資でお茶を濁し、中長期を意識した投資家は散っていってしまいました。


 個別の株価水準を見れば、さすがに日経平均株価で14,500円を割り込んでくると「そろそろ投資しても良い水準??」と思われるものも出てきました。


 ただし、ここまで理財商品のデフォルトが注目されて中国リスクが連日取り上げられると「中国は大丈夫」という楽観論をそのまま受け止める人が少なくなってきます。欧米とロシアという大国の対立が表面化したウクライナ問題も、小国ウクライナの問題であり心配なしと切り捨てることが難しくなってきました。


 相場格言に、「上がる理も時至らねば上がらない」というものがあります。理屈はわかるけど、買う人が出てこないと上がらないという意味です。当面、株式相場に大きな値上がり益を獲得する期待が持てない展開が続くと思います。


 ただし、この水準からだったら「すぐの利益を期待せず、年内で報われれば良い」と割安と確信できる銘柄が見つかっていて、そして、買ってすぐに値下がりしても仕方ないと下げを覚悟した投資家であれば、下がったらまた買うというナンピン買いを前提にした投資を検討しても良いと思います。


 しかし、一番のお勧めは株安に連れて円高になったタイミングで外債投資の割合を増やしていくことです。株式相場で儲けるのがどんどん難しくなっていく展開で、株式投資の受け皿は株式投資ではなく、外債投資です。大きく取り返すことよりも、現在の資産をいかに守って増やすこと、くれぐれも資産を大きく減らさない投資を心がけたほうがいいと思います。