織り込んでいた欧州の量的金融緩和に雲がかかるか!?

 反緊縮財政を掲げて大勝したギリシャ新政権と、欧州加盟国との信任を守るために、この期に及んで財政規律を自国の事情で緩めることを容認できないと厳しい態度を示す欧州中央銀行(ECB)の言動・行動に関心が高まっています。


 昨年からの相場の堅調を支え、先高を期待する根拠は、ついに欧州も量的金融緩和に踏み切ることで、米国が金融を引き締めた分も日本、および欧州の金融緩和により資金のジャブジャブ状況は保たれ、相場の腰折れはないという見方です。


 そういう意味では、3月以降に本当に欧州中央銀行が量的緩和策を予定通り実行できるかは、相場の好調を支える前提が変わるかどうかの大きなイベントだと言えます。


 ギリシャ国債利回りは最近、大幅に上昇していますが、2011年、2012年の時のように、多少上昇したとはいえ、当時、市場がギリシャに続き懸念されたポルトガル、イタリア、スペイン国債は低い利回りを維持しています。逆に言うと、これらの国債は米国国債利回りと比較して割高な水準に現在もあり、素直に考えて、現在が読みにくい環境でもあるので、これらの国債を売却して利益確定を考える投資家が今後増えると考えるのが自然だと思います。


 ギリシャ国債に続き、これらの国債利回りがじわりと上昇してくると、実際、それはただ単なる利益確定の動きが出た結果の理解しやすい上昇だったとしても、そうなると過去の苦い記憶で気持ちの良いものではなく、投資家の気持ちを揺さぶる可能性はあり得るのだと思います。


 「嘘から出たマコト」


 個人的には、ギリシャのやんちゃが欧州全体の不安に広がる可能性は小さいと決めつけるのは早計で、ギリシャ国債利回り上昇を受けた、他の欧州国債の割高修正の動きがでるかに注目しています。