「まだまだやれることはある」という黒田総裁の発言は撤回したほうがいい!!

 黒田日銀総裁は、ずっと、ずっ-と「日銀にはまだまだやれることがある」と、マーケットから国債を買い、ETFを買い、Jリートを買ってきて、そして、借金した人が利息をもらえるというマイナス金利まで導入しました。


 結果、国債を買い、日本株を買い、Jリートを買う根拠は、「最後は日銀に買ってもらい、売り逃げ出来るから」という投資家、投機家の甘えを醸成しました。特に罪深いのは国債市場。国債の売りたい買いたいの需給で金利が上下する市場メカニズムを完全に壊してしまい、日銀がどのような対応を取るかで方向が決まる。この状態を健全とは言えません。


 マイナス金利を導入すれば、金利水準が引き下げられ、借入金利は下がり、国民の金利負担が軽減され投資・消費の意欲が盛り上がると目論んだが、実際はどうでしょう。「マイナス金利の効果は時間を持って見て欲しい」と日銀は繰り返すが、このたった2ヶ月で、当初、下がる気配があった住宅ローンも期待ほど下がらず、むしろ、下げた金利を引き上げるところもチラホラでてきた。


 金融機関は、公にマイナス金利導入を非難する声はあげていないものの、早々にベアは見送り、株価は先の業績を読むように明白な下落基調に。


 このまま、「日銀にはまだまだ出来ることがある」と強弁することでいいことは無さそうです。黒田日銀総裁は、「マイナス金利の継続は効果よりもリスクのほうが多い」と認め、「日銀はこれまでできることはすべてやってきた。今後は政府の役割だ」と、これまで日銀の陰に隠れて楽してきた政府を舞台の真ん中に引き揚げるべきです。


 政府に続き、日銀までも、オオカミ少年になってしまったらと思うとゾッとします。政治は頼りなくても、日銀には良心があるからなんとかなるかも・・・・  であってもらわなければ困ります。


 そういう意味では、中央銀行総裁らしいのは米国のイエレン議長ですね。彼女にはつきもありましたが、並外れた胆力がないと、異常事態の金融緩和から正常に戻していく過程で様々な抵抗に合い、心が折れて挫折するのが当たり前だと思います。今、米国がトランプ旋風でも安泰なのは、彼女の働きによるところが大きいと思います。