たとえば銀行の都合で店舗が併合され、その後預金残高が実際に比べて減っているケースが発覚した場合、「すいません。預金者の皆さん残高を確認して、間違いがあれば連絡してください」と言われたらびっくりしますよね。
しかも何でこちらが調べて連絡するんだぁ?、本来であれば、銀行が預金者に対して「正しく残高の確認できました。ご心配をおかけしました」と調べて、報告すべきだと思いませんか?
これは銀行の預金の話ではありません。年金の話です。これから受け取る年金額が正しく受け取れない可能性があるだけではなく、これまで受け取った人の年金額が実際に受け取るはずの金額よりも少なく支払われているケースが相当数存在する疑いがでてきました。
社保庁は、加入記録は受給手続きの際などに本人も確認しているという理由で責任はないという認識です。それは社保庁が管理してきた加入記録の内容に信頼があればこその前提です。預けたお金がちゃんと預金残高に残っているから安心なのであって、預金残高と違うかもしれないと疑う仕事をされた時点で、信頼の前提は崩れています。その信頼を取り戻す作業・手続きは当然社保庁側にあり、ひとりひとりへの説明責任は当然果たしてもらわなければ国民は納得できません。
厚労省は未だに全数調査をするとは言っていません。物理的な人、時間など、困難な理由はあげればきりがありません。しかし、信頼し疑わなかった国民に不安を持たせた罪をいたく感じて、誠意を持って動くのが当たり前の判断だと考えます。国民の社会保障の根幹が揺れている事態を目の前にして、感度が鈍いんじゃないでしょうか。不愉快です。