今週は米国10年国債利回りが2.88%まで上昇し、先週に続き、株価は乱高下しました。しかし、私としては、景気実態が良い米国で金利上昇期待が発生し、割高とされた株式などの投資対象が行きすぎた分の反動として本来あるべき水準を模索する動きは至極当然の動きとして安心してみています。米国金利の現在上昇した水準を基準に、それぞれの投資対象の割高・割安が修正されていく過程だと考えます。
しかし、割高・割安の判断根拠がある株式と、いくらが妥当なのかの判断基準を持ち合わせていない仮想通貨の動きは別で、こちらの動きは「糸の切れたタコ」状態で、あるべき水準が定まるには株式よりも時間がかかるように思います。
注目されていた日本銀行の総裁は黒田さんの再任で決まったようです。これで、2013年4月の就任時に、量的質的金融緩和により「2年程度、物価上昇率2%を実現をする」と始めたデフレ脱却のための大実験のレポートを書くのは、言い出しっぺの黒田日銀総裁に決まりました。黒田日銀総裁には、晩節を汚すことのないよう、逃げずに後始末をきっちりお願いしたいと思います。
今週の動きで明らかになったのは、現在、一番安定しているはずの米国でさえ、インフラ投資や防衛費の増大でふくれる国債発行を懸念して金利上昇を余儀なくされているということです。
日本銀行はどうするのでしょうか。日本銀行に、これまでやってこれたように、今後も金利上昇懸念を封じ込めるだけの腕力を期待することができるのでしょうか。政府にはまったく、お金の心配しているふうが見えません。それは日銀が考えること、うまくやってくれるはず、と知らんふりです。
やはり、自分のお金のことは人任せではいけないということです。