「株式の配当金が、ちょっとしたお小遣いになって楽しみ」という声を良く聞きます。配当利回りは平均で1%程度ですから、100万円投資していたら、年間1万円程度、半期ごとに5000円程度受け取ることになります。銘柄によっては、2%〜3%程度の高配当利回りのものもありますし、この他に株主優待があったりします。楽しみする人がたくさんいるのもうなずけます。2005年度の配当所得は前年度比51%増えて7兆4千億円だったそうです。
実は私たちが受け取る配当金は、所得税7%、地方税3%、計10%の源泉税を徴収された後の金額です。ということは、単純に考えると、配当が出ることによって、7400億円の税金が納税された計算になります。もし企業が配当を出さなければ、納税されなかった税金です。
現在投資信託と言えば、毎月分配型が主流です。こちらも同様に、分配金が出る度に納税されます。配当所得が増えて、喜んでいるのは国税当局と言えないでしょうか?
フィデリティ投信は分配金を出すのは利益の流出になり投資家のためにならず、分配金は原則出さないという方針の会社でしたが、国税当局から、「何故こんなに値上がりしているのに分配金を出さないのか」と催促を受けたとか、受けなかったとか、という話を思い出します。
国税当局が、配当を重視する現在の風潮に目を細めている様子が目に浮かびますね。