飲み屋さんにいくと、「今日は何になさいますか?」とビール会社を聞かれたり、銘柄を聞かれたりすることがよくあります。
「いつもはキリンだけど、今日はアサヒにするか」。中にはサッポロしか飲まないという輩もいて、「じゃあ、アサヒのスーパードライとサッポロ黒生」みたいに、分かれて注文することも。
この間、明星食品と日清食品がくっついたかと思ったら、今回はアサヒとサッポロという話しも出てきました。株価の興味も、M&Aの可能性がある銘柄はどこかを先読みする人が増えました。株価は本来、業績と財務内容で割安・割高をはかるもの。誰かが「いくらまで買う」という名乗りで上がるものではないはず。業績と財務内容などの旧来の投資指標では買えず、チャート分析が流行り、ここにきては長期投資とは思えないM&A話に踊らされる。
一方で買収を避けるため、上場会社から未上場会社へ転身する選択を行う小型優良企業も出始めていますが、やはりファンドからお金を借りての独立だから、ファンドの意向を無視することも出来ず。行くも地獄、下がるも地獄。最近の株式相場は、株価が上がりさえすれば何でもする、結果を出すことが大事と、企業の名前は一切関係ない、興味は株価だけ。会社の魅力よりも、株価の動きに関心が向く。
投資に美学を求める必要は無いのかも知れませんが、投資と大らかに付き合っていくことを目指している私としては、少しやりきれない思いがします。相場が下品になっている気がします。残念ですがこれから更に、この傾向が強まる気配です。
株価がおもちゃにされ、その後市場からはあきられて急落し、市場から去っていった会社がこれまでもありました。会社の内容を見て投資をする。割高であれば売り、割安になれば買う。そして、その会社の動向に関心を持つ。そんな会社と株主の関係が普通でありたいと思います。巨大なビール会社一つになってしまっては、競争もなく、ますますビール人気は下火になるのではないでしょうか。それを消費者は望んでいないと思います。
ちなみに為替が米ドルで119円手前まできました。今来週がヤマ場にかかるかも知れませんね。注目です。