国債利回りの上昇よりも株価の水準のほうを気にすべきでは??

 結果、今週も株高・円安基調が継続、ニューヨークダウ指数は史上最高値を更新し15354ドルで引け、米ドルは103円台に乗せ、来週の日本株相場は高いところからスタートしそうです。

 「今は株式投資。こんなときに債券投資は魅力無い」という声をよく聞くようになりました。
私も「日本株相場はまだ上昇する過程にある」と確信していますが、しかし、割安な水準ではもはや無く、手入れをしないで放っておけば将来大きな含み損を抱える可能性を覚悟しなければならない水準にある銘柄が多くなってきたと思います。
 そのため、「これから株式投資だ」と取り組むに適した人は、株価の割高・割安を知り、必ずどこかで利益確定行い、売り切って残を抱えない、もしくは、抱えても後悔しない投資額まで絞る自信がある人だと考えています。

 しかし、ほとんどの方がそれを過去に実行できないできたわけですから、ここからの株式投資には慎重であり、「買い損じ」よりも「売り損じ」に注意して、今後の相場とつきあっていくことが大事なのだと思います。

 10年国債利回りが0.3%から0.9%に急上昇したと喧伝する人がいますが、これは別に心配することはないと考えます。10年の国債利回りが0.3%まで低下したことが異常なことであって、それが景気回復期待を受けて0.8~1.2%程度までの利回り水準で収まる範囲で推移する分には妥当な水準だと考えます。ましてや0.8%の水準は10年国債にとって一番居心地の良い水準であり、0.3%の水準を是として、いたずらに心配していては体が保ちません。

 むしろ債券の金利上昇を気にするぐらいなら、「自分にとって株式に取り組む投資額はどの程度が適当なのか」を気にしたほうがよいと思います。

 人が集まるところの賑わいぶりが目につくようになって来たと思います。懸念されていた個人消費から設備投資へのバトンタッチですが、こちらのほうも直に目につくようになるのだと思います。現在の株価水準はとても割安と言える水準ではなくなってきたとは思いますが、今後まだまだ参加者は増えていき、「買うから上がる。上がるから買う」の株高・円安は当面続くと考えるほうが自然なのではないでしょうか。