手数料を取らないとどう変わるの??

 本日はノーロード投信について聞かれました。購入手数料がかからない投資信託です。
購入手数料は、そもそも投資信託を販売する金融機関が投資家に対して、商品内容の説明や、どんなリスクがあるのか、過去の実績はどうだったかなど、投資判断に至るまでのサポートに対する対価です。それを受け取らないでいい投資信託とはどんなものかと考えてみました。
 ?インデックス投信、投資対象の説明が主なことで、個別ファンドの特徴は余りなく、説明に時間がかからない、?すでに売れ筋商品になっていて多くの人が購入しており、投資家になじみがある。この?、?の投資信託であれば、わざわざ金融機関の窓口で購入手数料を払って買うよりも、ノーロード投信のほうが向いている。
 ?「手数料なし」といえば買ってくれる人がいるかもしれない、ちょっと人気のない投資信託。こんな「瀬戸際ファンド」もあるかもしれない。
 ?投資家に投資家の自己責任を全部負ってもらいたい金融機関の思惑が先行した投資信託。
投資判断に必要な情報はすべて準備しました。日本株式も海外株式もリートも、組み合わせたらいいだろう素材は用意しています。あなたの投資目的に合わせてどんどん買って行ってくださ〜い。
 こんな程度のアドバイスで購入手数料を取られたのではたまらないという声の高まりで、ノーロード投信が流行り出したわけですが、「だったら手数料はいただきません。自己責任で買って行ってください。そのかわり、手数料をいただいていないわけですから多くを求められても困ります」という世の中になったらどうなるでしょうか?多くの人は、どの投資対象を選ぶかの検討はついても、自分の目的に合った資産の組み合わせなんて言われたら、ちんぷんかんぷんではないでしょうか?
そもそも、あなたが想定している運用期間は?あなたの期待しているリターンは?取れるリスクは?そして、どんな運用をしたいですか?と聞かれて明確に答えられる人がどのくらいいるのでしょうか?
 投資経験が浅く、知識が余りない人が、助言なしに投資判断をしろと言われても、判断の基準にするモノサシがないわけですから、私は投資家が自己完結で投資判断ができると想定すること自体無茶だと考えます。投資判断を助ける、専門家の助言はやはりありがたいものです。
 販売金融機関がノーロード投信を推進するのであれば、本来手数料をもらう投資信託をノーロード商品にすることで、どんなふうにサービスに違い出るのか、または出ないのか、事前に投資家に対して説明を明確にしておく必要があると思います。「あなたの責任にすべて丸投げ」ノーロード投信だと知ったうえで、「手数料なし」を喜んで購入する人は少ないのではないでしょうか。
 「手数料なし」よりも「手数料に見合ったサービス向上」を目指す販売金融機関のほうが健全ですし、投資家にも為になる方向だと私は思います。