私の経験では、出遅れ銘柄に投資して余り良い思いをしたことがありません。「他に比べるとまだそれほど上がっていません。割安なのでは」と買ってみると、相場の雲行きが怪しくなり下げ相場に。「今までそれほど上がっていないから、それほど下げることはないと・・・」と聞いていたのに、一人前に下げてしまった。おまけに他が上がりだしたのに、自分のものだけが蚊帳の外。そんな経験された人、けっこう多いのではないでしょうか。
出遅れ銘柄は出遅れるだけの理由があるのです。買われない理由、買うだけの魅力がない理由があるのです。それでも相場が上昇すればそれなりに連れ高しますが、下げるときはみんな一緒です。しかも魅力がない銘柄ですから、他が割高で投資に困ったときにしか注目されないので、一度下がると次いつ買われる時期が来るのかは市場任せ。全然読めず、塩漬け状態が続くのです。
今の日本株、不動産はどうでしょうか?海外に比べると割安だと言われています。これも同じではないでしょうか。日本株や日本の不動産が買われるのは世界の株や不動産が活況で値上がりをしていたから。もし海外の株式や不動産が値下がりに転じた場合、割安だからと言って日本の株式や不動産だけしっかりしていると誰が言えるのでしょうか。
したがって日本株や不動産の投資妙味は、世界同時株高、世界同時不動産高の行方をどう見るかにかかっているような気がします。
FRBのFFレート大幅引き下げは中央銀行の市場に対するカンフル剤、気付け薬。少し元気がついたら「ちゃんと病気を治すことに専念してね」という猶予をもらっただけです。ここで調子づいてリスクを取ったらもっと痛い目に遭うことになりかねません。無駄なリスクをそぎ落とし、筋肉質を目指す時だと私は考えます。