私の友人でパソコンを組み立てるマニアがいます。彼らクラスになると、性能の良さを追求するだけではなく、見た目にこだわり、パソコンの本体をスケルトンにして、真っ暗な室内でも綺麗なイルミネーションのひとつとして利用し、まるで水槽を泳ぐ熱帯魚状態を楽しんでいます。
今のパソコンはまさにプラモデル状態で、部品をはめ込んで簡単に作れるらしく、「一度作れば誰でも要領がつかめる」と話してくれました。逆に故障したときは修繕するのではなく、大抵故障した部品を新しいものと取り替えるだけ。つまり故障の原因究明まではしないそうです。「何で動かなくなったか分からないけど、部品を取り替えたら動いた」。これって、解決になるのでしょうか。
自動車も家電製品も全自動。センサーにより、かなりの部分を機械が勝手に仕事してくれるようになりました。確かに便利になりましたが、私は便利になりすぎること、人間の手で行わなくて済むことが多くなることに、ある種「これでいいのかなあ」と思っています。
「何だか知らないけどドアが開かない」、「急にテレビがついた」、「電気がついた、消えた」、超常現象でもあるまいし、自分たちが理解しないところでトラブルが発生する可能性が日常で増えていることに不安を感じているのは私だけでしょうか。実際リモコン操作で、テレビがつくはずなのに、扇風機が回ったりしているらしいですね。世の中いろいろな電磁波が飛び交う中で、自分の運転しているこの車は大丈夫なのか。もし誤作動が起こったら・・。大事な部分は手動で動かせるようにしていた方が良さそうですね。
私は投資もシンプルがベストだと思っています。「何で上がったのか。下がったのか」がわかるもの。理由が分かれば次の対策が打てますが、わからなければ、ただそのまま持ち続けるか、恐いから手放してしまうかしかありません。下がり続ける場面では、理解が出来ないだけに余計不安になってしまいます。そういう意味では、ヘッジファンドのように「何だか知らないけど成績が良かった」という金融商品は楽しみで持てる程度の金額で始めるべきだと思います。
しかしヘッジファンドは今でこそ小口でも購入できるようになってきましたが、以前は大口でしか購入が許されなかった富裕層向けの金融商品でした。資金量に比べて、過大に投資している人も多いと思います。保有されている人は、このサブプライム問題の影響をどの程度受けるものなのかと、販売側に尋ねてみてください。良心的なヘッジファンドであれば、投資家から問い合わせが来る前に、「どうしたら正しく現状を理解してもらえるか」と腐心しているはずです。「ただ大丈夫です」を繰り返すだけの対応であれば、その方自身も正しく状況が把握できていないのかも知れません。
人の度量は緊急時に現れる。心配な方は自分から問い合わせることをお勧めします。
玉石混淆だったヘッジファンド。まがいものが淘汰される機会になるのではないでしょうか。