私が自動車免許を取ったのは30年ほど前。当時は免許が取れる年齢になれば大抵の若者は免許を取ろうとしていました。今は携帯電話など当時はかからなかった支出が増えて余裕がなく、自動車教習所に通う人も少なくなってきたと聞きます。「本当にそれだけの理由かな?」とも思いますが。
おまけにガソリンは高い、駐車場料金はかかる、保険はかかる、税金は高い、たまに都心に出ると道は混む、駐車場は見つからない、高速道路の料金は高い。これまで車に乗ってきた私でも、必要なときにレンタカーでもいいかという気になります。
首都高の高速料金の一律700円はおかしいと言う声は当初からありました。何故乗る距離が短いのに、同じ700円なんだ。不公平じゃないかと。
それではということで、首都高からのご提案。平成20年度には距離別にして、初乗り400円上限1200円にしたいとのこと。「距離が短いのに一律700円はおかしい」という声はあったけど、「距離が長いのに一律700円はおかしい」と怒ったドライバーはいなかったはず。
「首都高をドライバーにもっと利用してもらいたいのか、それとも金払いの悪いドライバーを閉め出したいのか」、首都高の意図が理解できません。本来サービスの向上は利用者のニーズを主体にした発想であるはずです。「こっちでは損するけど、こっちでは得するから、やってみよう」という採算を優先した提案は、その内容が本当は意味があるものであっても、利用者には抵抗があるものです。そもそも税金で造られた道路。使って、利用されて意味があるものです。使いたくなる、利用したくなる提案はないのでしょうか。1962年初乗り50円が現在700円。ETC利用すると、多少割引もあって、最近少し利用してみようかなと思い直したりしましたが、こんな話しを耳にするとがっかりです。ここはいっそ、初乗り400円、上限700円の距離別料金ではだめなのでしょうか。その結果、いくらの収入減になるのでしょうか?それは企業努力で補えないほど大きなものなのでしょうか?
利用してもらうドライバー、お客様を味方につける提案ができなくて、どうして首都高の運営ができるのでしょうか。「これじゃー、高速使わなくちゃ損だよなあ」と利用者に訴える提案。他のサービス業なら当たり前に悩んでひねり出していることです。もしその結果の提案が、この形だとしたら、利用者のニーズが全く読めていません。「領収書は5万円以上」にこだわっている人たちと、何ら変わりません。自動車業界にとっても、車離れにつながる由々しき問題ではないでしょうか。ドライバーの代弁者として、知恵を貸して上げてください。