イオン銀行が本日開業となりました。新規参入したイオン銀行が消費者の目線に立ち「預金者のために、既存の銀行は何故こうできなかったのか」というサービスの向上に務めてもらいたいものです。まずは営業時間を延長したり、大手銀行の普通預金よりも高い金利を設定するとか、口座開設などをサインだけで済ませるなどを実行されるようです。
10月1日に民営化したゆうちょ銀行のATM手数料は民営化された途端に、既存金融機関の手数料体系を前提に引き上げられました。既存金融機関のATM手数料のあり方に対し、利用者でもっともだと納得している人はほとんどいないのではないでしょうか。それをそのまま、新規参入したゆうちょ銀行が受け入れたのを私は少しがっかりしました。開業の機会に、利用者の立場に立って「新しい提言」を期待していました。既存金融機関に対して、「そういう見方、考え方、訴え方があったのか」とかます余地はなかったのでしょうか。
新規参入組はただ単に一番最後に開業した金融機関ではなく、既存金融機関にないサービスを利用者に提供するために参入したという気概があってしかるべしだと私は思います。ゆうちょ銀行にはもっと、もっとを期待します。今のところ、既存金融機関との差別化をどこではかりたいのかが見えてきません。ゆうちょ銀行の強みである地域密着で積み重ねてきた信頼を活かす流れになっていないのが残念に思えます。
ところで相場は、明日から開催される米国FOMCで政策金利が0.25%、場合によっては0.50%の大幅追加利下げがなされる前提で、金利・株価・為替、それぞれが影響を受けています。
こんなに原油などの資源価格がインフレ懸念を煽るほど急騰していなければ、淡々と政策金利は機械的に引き下げられる環境だと思います。
しかし現実インフレ懸念は増長されていて、政策金利を引き下げれば、更に資源価格は高騰し、ドル安は進み、インフレ懸念は更に高まるかもしれない。それは世界同時景気回復の腰を折ることにつながります。
引き下げを見送れば、相場は不透明感を増し不安定になり、株価・為替・金利の乱高下を誘い、企業の設備投資、個人消費の更なる減退を招く可能性もあります。
政策金利0.5%の大幅利下げを決定した先月よりも、さらに政策判断をするのに袋小路に入ってしまった様子。判断を迫られているバーナンキ議長が本当に気の毒に思います。
私の勝手な気持ちで言えば、以下の通りです。
「現在の米国10年国債4.4%の金利水準には低すぎて全く興味はない」
「短期間で倍になった中国株など新興国株をこの水準で敢えて買うつもりはない」
「為替はしばらく乱高下が予想され相場が落ち着くまで、円高に振れた局面以外は中途半端な水準で外貨の新規投資は行わない」
「現在は理屈通りに動かない相場にあり、じっと待っていれば、意外な掘り出し物が買えるかも知れないので、相場には注目している」
こうしたことを常に意識していないと、思わず投資に参加してしまい、後悔のもとを作り出してしまいそうな、厄介な投資環境だと私は注意しています。