世の中には思いもよらないことが起きるものです。
昨日、資本金1000万円の会社が「トヨタ自動車」、「ソニー」、「NTT」、「三菱重工」、「フジテレビ」、「アステラス製薬」の6社の株式を51%取得したと電子開示システムを通じて公表しました。これだけの株式を取得するには約20兆円必要です。金融庁は事実確認を急いでいるそうですが、既に公表されてしまった後ですから、公表前にチェックする機能がなく、こういう事態を想定していなかったこと自体、お粗末な話しです。虚偽報告で相場がいたずらに動かされ投資家がいらぬ迷惑をかけられた場合の責任はどこが取るのでしょうか。そしてこの報告が虚偽だとしたら、金融庁は厳正に対処するとコメントしていますが、どんな処分が検討されるのでしょうか。
この会社から「しゃれでした。まさかこんな報告がそのまま通ると思わなかった。恐縮しています」と言われたら、金融庁はどう答えるのでしょうか?一方的にこの会社ばかりを責めるのもどうかと思います。
それから仏銀2位のソシエテジェネラルの、救済合併・分割が噂されるほどの巨額損失話。「あー、ソシエテも」と、サブプライム問題で巨額損失の発生も慣れっこに。しかし、よく聞くと、株式指数先物ディーラーひとりの不正取引で損失額が約7600億円も発生したとのこと。しかも、そのディーラーは大物でもなく、普通のディーラーだったらしい。
1995年英国で発生したベアリングス事件。やはりいちディーラーの不正取引で200年近い歴史のあったベアリングス銀行が破綻しました。このときの損失額は約1380億円でした。今回の件は大きな額に驚かされただけではなく、不正取引に監視が厳しくなっているはずなのに、なんでこんなことが起こり得るのか、こんなトップ金融機関でさえこんな体たらくだったら、他に隠れているものもあるのではと疑念が広がるでしょう。個人的には、米国に続き、これからユーロで起こったバブルの清算が始まっていると思います。
米ドルダメ、ユーロダメ。それじゃー、金。金ばかり持つわけにも行かず。それじゃー、価値は落ちたけど流動性が確保されている日本円。やっぱり米ドル・・・。安全・安定を求めて、マネーが世界をさまよい歩く時代がしばらく続きそうです。