ライブドアのホリエモンにしろ、村上ファンドの村上氏にしろ、「額に汗したわけでもないのに膨大な資産を一代で築いた人」の代表として取り上げられています。しかし、ただ時代に恵まれただけで、同じ事が我々にも可能だったのでしょうか。
成功したとされるデートレーダーの人でも1億円の資産を作るまでには、何度も儲けたすべてを一瞬で飛ばしてしまうような損を経験し、乗り越えてきた人が大半のようです。安いところで株を買えても、結果得する人と、損してしまう人がいるように、利益を積み上げて、そして資産として残すには、リスクをコントロールする類い希な「平常心」が必要です。そういう意味では、ホリエモンも村上氏も、能力の高い人だったことは間違いないでしょう。
自由・公正でなければならない市場取引に不正を働いたかもしれない行為を問題とし正すのが本筋であって、投資行為自体を「額に汗しない不労所得」として非難する声が高まるのは筋違いだと思います。運動によって使う筋肉が違うように、投資は目に見えた汗はないかもしれませんが、通常の労働よりも卑しくみる風潮は残念です。卑しく見ているうちは、投資は身近なものにはならないでしょう。