昨日、日経新聞の記者の方から「日本株を対象にする投資信託のパフォーマンス上位の顔ぶれを見て感想を聞かせてください」と取材を受けました。
昨年は日本株全体が不振で、リターンは約3割程度のマイナスになっています。そうした環境の中で健闘している上位銘柄は全体よりもやられ方が少なかったと言うだけで、やはりマイナス。つまり損をした結果で終わっています。
私は記者の方に「アクティブ型投信は市場平均に勝つために、リスクを取った運用をしているので、相場の下げ局面では通常市場平均よりも大きな下げ方になるのが普通です。投資家としては、下げ局面では仕方ないものの、上昇局面になったら市場平均以上の上昇を期待してアクティブ型投信に投資するわけです。下げ局面で市場平均以上に下げ、しかも上昇局面でも市場平均に勝てないアクティブ型投信であれば最悪ということです。
逆に言えば、昨年のように市場全体が下げているときに余り下がらなかった投信は上昇局面でも余り上がらないアクティブ型投信である可能性もあり、ハイリスク・ハイリターンを期待する投資家にとっては良い投資信託だとは言えないかもしれません」と答えました。
私はむしろ、この一年間で大きく下げた投資信託の中に、相場が上昇局面になった際に活躍する銘柄があるのではないかと思います。日本株に投資することが目的なら別ですが、リターンの獲得を目的にするのであれば、割高な投資環境では投資する額を絞ってリスクを軽減し、割安な環境では中長期の視点で株式投資を楽しむ。割安な環境は注目する人が少ないから、割安な環境が用意されているわけですから、投資してすぐに報われることは難しいでしょう。
底を買うことはラッキーでしかありませんから、大抵は投資してすぐに下がるのが当たり前です。すぐに上がらない環境なのに、「上がれ」と望むから辛くなります。これから下がったら「まだ買うぞ」と投資機会を狙っている人は毎日、毎時間、値動きを追う意味があるとは思いますが、追加投資をするつもりもなく、これまですでに投資してきた人は、いくらになったら売りを考えようかという目安を今のうちにつけておきましょう。
私は日経平均株価でいえば、とりあえず15000円。ここまで戻らなければ、株をいじるつもりはありません。もちろん個別銘柄で3割も上がれば別ですが。
つまり現在13000円の水準が15000円にならなければ、特段動くつもりが無いと決めれば、明日1000円上がろうが、下がろうが、関係ないと言うことです。気にしても仕方ないと言うことです。15000円になる投資環境になるまでは、違うことに時間とエネルギーを使いたいと私は考えています。我々投資家が毎日祈っても時期が来なければ株価は上がりません。しかし、本当に割安であれば時期が経てば上がるときは来ます。もっと有意義に時間を使いたいものです。