為替相場も、株式相場と同様に、一時のドル安円高パニックから少し落ち着いた動きになってきました。ドル102円、ユーロ162円、豪ドル96円。外貨投資をしている人にとっては、やっと一息つける水準だと思います。
サブプライム問題で揺れた米大手金融機関のトップからは「最悪期は過ぎた」というコメントが相次ぎ、欧米中央銀行、政府からもパニックから落ち着きを取り戻しつつあるというコメントが出始めています。一方で、アナリストやエコノミストは、まだまだ慎重なコメントが多く、相場が上昇した際にも、最後に「やはり少し戻りが鈍い。上値に売り物が多く、下に放れる可能性も未だに否定できない」という弱気なコメントを残しています。
私のクライアントの皆さんからは最近、「為替の先行きをどう見ますか?」、「株価の先行きをどう見ますか?」という質問はめっきり減りました。おそらく皆さんは、「前川が言うだろうことは決まっている」と思ってらっしゃるからだと思います。
「今の相場は急に円安になったり、株高になることはありません。もし円安になったり、株高になっても、時間がたてば買えるチャンスはまた来ます。今は10年に一度の円高と日本株安という両方が手に入るチャンスだと私は考えています。したがって、気持ちとお金に余裕のある人は追加投資のチャンスと考えましょう。まだその気持ちとお金に余裕のない人は無理をしないでください。相場にさえ関心を持ち続ければ、いずれ機会が来るはずです。『いつそういう機会が来るのかなあ』と楽しみにしていましょう」
私の好きな言葉に「株式投資はすばらしい。資産を10倍に増やすリターンが期待できるのに、最大のリスクは元本を失うだけだ」というものがあります。株式投資の最大のリスクは企業が破綻して紙くずになることと割り切れば、株式投資は十分にリスクに見合った投資対象なのだと思います。
ただし、信用取引や証拠金取引は違いますよ。元本以上のものを失う可能性があるわけですから。これはリスクを承知の向こう見ずな人に任せましょう。