ついに豪ドルは100円手前までの円安・豪ドル高の水準まで戻ってきました。3月17日に88円割れ目前まで円高・豪ドル安の場面がありました。同じく3月17日に95円台まで円高ドル安にあった米ドルも105円絡み、ユーロは3月20日の152円割れの水準から163円手前の円安・ユーロ高の水準にあります。
依然として、為替相場は再びドル安へ向かうという見方が大勢ですが、行き過ぎた相場が妥当水準に戻り、更に行き過ぎた相場に振られる繰り返しは今後も続きます。
どこまでも円高が進むわけではないし、円安が進むわけでもないのです。日本人で外貨資産への分散投資が必要と考える人であれば、円安になる過程で投資するよりも、円高に振れた場面で投資する方が効率が良いのに決まっているのですが、円高に振れると「もっともっと」と円高を期待し、期待した以上に円高が進むと「恐くて手が出せない」と臆病になりがちです。
私は通貨を選択するときには「円にいつでも戻すことが可能である」換金性を重視して、米ドル・ユーロ・豪ドルに絞って投資を考えます。外貨資産の価値がいったん円高で評価損が高まっても、いずれ妥当水準に戻るだろう安心感がある通貨であれば、長期で保有してもそれほどストレスにはなりません。
しかし「このまま持っていたら、円に換金できない事態があるかも知れない」という通貨は円高が進行すればするほどストレスが溜まってきます。なぜ「円以外の資産を持ち安心したい」と考え外貨投資を始めたのに、新たな悩みを抱えなければならないのでしょうか?「高金利を得るためには通貨の信用リスクを取っても構わない」と覚悟がある投資家であれば別ですが。
いずれにしても、外貨投資を長く続けていきたい人にとって大事なのは、評価益を楽しむ円安の場面ではなく、評価損が出ている円高場面をいかに楽しんで再投資の機会とするかだと私は考えます。