昨日の日経平均株価は朝高の後、一時14000円を割り込む軟調な地合いでした。しかし、これは日本株が安くなったと言うよりも、アジア株の下落に引きずられたものであり、むしろその割にはシッカリという印象です。中国の上海総合指数は先週末比マイナス7.7%の3071。昨年の秋の水準から半分程度まで急落中。ベトナム株式は5月5日から連続24日下落を続けているらしい。
個人的に新興国株式に全く興味を持っていなかったので、いつの間にか「ここまで下がっていたのか」という印象です。
不動産リートが注目され、不動産があたかも流動性が高く、「いつでも買え、いつでも売れる」という異常な状況だったことがサブプライム問題の発生を契機に、「不動産」の位置に戻ってきました。
新興国株式に投資をするときにも、「市場環境の混乱、その国の個別の状況により、売買ができなくなることもあります」というリスクの説明を受けます。その意味が痛いように伝わってくる環境になってきました。買いたい人、投資したいと考えていた人が様子を見た途端、そして少し売って現金化しようと動き始めた途端、新興国株式も「不動産」のように叩き売りをする覚悟でないと現金に換えられなくなります。
不動産リート、そして新興国株式の急落。私はどう考えても、商品価格の高騰、現在の価格が一人歩きをしている状況が長く続くと思えません。宴の真っ最中ではないでしょうか。流動性があるうちに、流動性のあるものに振り替えておいた方がよいと思います。流動性がなくなったら、現在の価値は絵に描いた餅でしかありません。
国内金利はついに投資妙のある水準まで届いてきました。国債利回りは2年がほぼ1%、5年が1.5%、10年が1.8%です。シティーグループが個人向けサムライ債を総額1000億円、期間3年で2.3〜2.4%の水準で発行するらしいです。シティーグループはさすがにめざといと思います。
現在のシティーグループの状況を知り、しかもこの投資環境で、短期間に1000億円の資金を調達できる市場は、慢性的に低金利に困っている日本しかないのではないでしょうか?欧米の金融機関のサムライ債がシティーグループに続き、名乗りを上げてくるかも知れませんね。
為替相場も目が離せなくなってきました。日本の政府が為替について、何を言おうが、屁の突っ張りにもなりませんが(少し下品)、基軸通貨の国の中央銀行・政府が「ドル高」を唱えれば注目せざるを得ません。「まさか為替介入はしないよねえ」とあらかたは思っていても、「もしや」と頭をよぎります。「政策金利の引き上げはさすがにしないよねえ」とあらかたは思っていても、市場が先走り金利が上昇してくると「もしや」と思う。やはり6月の相場は荒れますね。
「今月中にも日経平均株価15000円、1ドル=108円」というドタ感は、ドル高の方が先に実現しそうです。