本日は一般的に動きづらい相場展開になることが多い月曜日の相場にもかかわらず、日経平均株価は前場だけで7000億円を超える売買代金を集め、9400円の大台に乗せてきました。上昇ムードが弱きムードを圧倒しています。
日経新聞の朝刊には「南欧企業の買収活発に、ギリシャ国債・株にも投資」と企業再生を得意とする投資ファンドが、債務危機に直面する南欧企業の買収が動き出したと記事にありました。
ユーロ危機が気にならなくなる後退の時期にいずれはきます。危機自体が去るわけではなく、マーケットが気にしなくなる、鈍感になる時期はいずれ来るということです。
そうなる過程では、当然、「資産価値を見失って割安で放置されている値打ちものがないか」と物色する人たちは出てきます。そうした方々が、出始めたという記事だと思います。以前から私は不思議に思っているのですが、リスクを承知した投資家向けに、「ユーロの債務問題国国債を対象にした外債型投信がなぜ出てこないのか」と。中途半端な水準になってしまった低格付社債(ハイイールド社債)よりも、よっぽど魅力的な対象だと思いますが。
リスクマネーは迷いながら静かに動く機会を模索し始めた様子です。
「日銀に国債を買わせてでもインフレを起こせ」という安倍自民党総裁と「インフレになったら大変なことになる」と何もしなかったことを忘れて騒ぐ野田総理。
個人的には、金融・経済について得意でない安倍総裁に勝手な発言をさせるのは自民党を不利に追い込むのではと思うぐらい危なっかしいですが、何も出来なかった野田総理にはいう資格はないと思います。
良い例えではないですが、仕事に支障が出るほどひどい便秘になった人が、下剤を飲むと今度は「ひどい下痢になって仕事が出来なくなるのでは?」と怖がって下剤を飲むことが出来ない様子に見えます。
まず、インフレ懸念が伴う経済のリフレを行う行動に打って出て、本当にデフレを克服し、インフレ期待が生まれ、さらにインフレ懸念が拡大する過程になったら、手を打つべきなのだと思います。
インフレ懸念が今後起きることに準備、対応を行うだけの時間は十分にあるはずです。
尖閣問題のように、準備も対応もなく、エイヤッで行うことが無謀であり、野田総理の位置にいたら、日本のデフレ脱却の機会は棚ぼたを待つしかありません。そんな余裕は当然ありません。課題点を明確にして、デフレ脱却に向けて具体的な実行と日本の意志を示すべきだと思います。