本日午前中の日経平均株価はついに14000円を割り込み、321円安の13861円で引けました。本日も相変わらず、アジア株式は雨模様。こうなれば、一番換金しやすい日本株を処分して資金確保しなければならない投資家も出てくるでしょう。一方で為替相場のドルは依然しっかり。107円台をキープしています。久々に「日本株を買い遅れた」と悔やむ人にとっては、いい押し目になってきたと思います。
連日思うのですが、やはり原油は高すぎますね。こんなに原油が高くなり、できれば石油関連製品の利用を抑えようと節制に努力する人がたくさんいるのに、お構いなしに上がるのは、どう考えても合点がいきません。買う人が増えて、連れて価格が上がるならわかります。
明らかに、実生活の中で節制する人が増えているのに、「これから上がるだろうから買う」という実際買いもしない投資家によって値を吊り上げられてしまっている。
芸人さんのギャラは下がることがないそうですね。そのため、新しい芸人のほうが安くて使えるようになると、声がかからなくなる。そのときに「仕事がないから、お安くしておきますよ」とギャラのダンピングができないと聞きました。
バブルが崩壊したあと、「この絵は世が世であれば1億円はくだらないものなんだけど・・」と買い手がつかず、資金繰りに困っていた画廊店主を思い出します。
やはり物の価値は「実際使われてなんぼ」の世界であり、そうでない言い値の世界が長く続くとは到底思えません。「市場がおかしいといっても始まらない」、「市場でついている値段が本物だ」ということもわかりますが、この状態をおかしいと思わず、この水準があたかも妥当であるかのように評論だてる人が増えてきているのは危険信号だと私は思います。
原油価格は1998年に10ドルの安値をつけたあとは、10ドルから40ドルを往ったり来たりを繰り返し、9.11同時テロを機会に40ドルの壁を抜け、2006年7月には80ドル手前まで急騰しました。このとき、専門家の多くが「こんな価格はありえない」と過去を例証して警鐘を鳴らしていました。そして今、2年間上がり続けた事実に押し黙ってしまう。「相場は分からない。勢いには勝てない。あの当時と事情が違う」・・・・。
しかし「上がり続ける相場はない」。これは変わらない真実です。また再び10ドルから40ドルのレンジ相場に戻るとは思いませんが、大きく修正して、新たなレンジ相場を形成していく日はそう遠くないと思います。これだけ注目されている原油相場に修正がかかるとすれば、他の相場にも大きな影響を与えることになるでしょう。投資をするなら、いつでも換金できる流動性を何よりも大事にしたほうが良いと思います。