金融商品や保険商品などを案内するときに、その時々の税制の有利さを取り上げ、セールストークに利用してはいけないという行政の指導があります。税制は変わるものだから、将来不確かな情報で、投資家や保険者の決断を促す行為を戒めています。
にもかかわらず、そのときどきの事情を優先して、国民の資金を思うとおりに誘導しようと、特例の税制という形を乱発し、投資税制が複雑になっています。口座を開設するとき、買うとき、売るとき、そして申告するとき、「自分の事情にあったやり方として、どの選択をしたらよいのか」、「今行った方法は、果たして正しかったのか」。考え出したら、きりのない迷いや不安を抱く人が多いのではないでしょうか?
そんな中で、源泉徴収という仕組みは本当に便利なものです。わからなくなったら、判断に困ったら、これを選べぶことで税金関係は終了です。この仕組みを是非大事にしてもらいたいと願います。
それから、今議論されている證券優遇税制ですが、「高齢者」という縛りはやめて、わかりやすいように、投資家としましょう。年齢の縛りをつけるだけで、現場・当事者は無駄な混乱に備えた準備をしなければなりません。とにかく、「税制はシンプル」、「手続きはシンプル」をめざしてください。
投資する熱を奪うような、本末転倒な試みだけは勘弁してください。