「外債投資がつまらない」ということは!!

 本日、私のクライアントの方と「前川さんの”いま債券投資が面白い”を読ませていただきましたが、どうも外債投資をする魅力的な水準ではないと思うのですが」という話になりました。
 このブログを長く読んでいただいている方なら、「そう言えば、前川は外債投資のタイミングについて、長らく何もコメントしていないなあ」とお気づきだと思います。外債投資が魅力的なときは、「金利が高い」、「為替が円高」、「金利が高く、為替が円高」ですが、現在は為替水準はまずまずの水準ですが、年内にまだ円高に振れる場面があると思いますし、金利の水準は長期固定するには物足りない水準だと私は考えています。したがって、外債投資は割高な水準です。
 外債投資を考えている人は、円高に大きく振れた場面で外貨MMFで為替を押さえて、金利が高くなるのを待つというスタンスでよいと思います。
 従ってモノサシである外債投資が割高になっていると考えれば、「逆に割安になっているものは何か」という視点が必要だと思います。今年の年初から申し上げていますが、私は「日本株式は割安」だと考えています。そんな風に年初から眺めていたら、リート、新興国株式、信用リスクを抱えた債券と次々急落してきました。割高の修正が働いているのです。
 「羹に懲りて(あつものにこりて)」ではないですが、外貨投資の王道ファンド「グロソブ」系の投信や国債が消去法で買われています。これは、少しもったいない気がします。「グロソブ」系や国債はいつでも買えますよね。せっかく、「株であれば買われ、不動産であれば買われた」割高・割安の差がない環境から、「割安で放置され、野ざらしにされている」投資対象が出始めているわけですから、物色ぐらいはしたいものです。
 「いま債券投資が面白い」で申し上げたかったことは、「債券投資をモノサシにして、自分が取り組もうとしている投資対象が割安なのか、割高なのかを確認しましょう。債券投資を知ると、割高・割安を知るのに便利ですよ」ということです。何度も申し上げますが、今は債券投資よりも、もっと割安な投資対象があります。
 それから、近代セールス社の方から「前川さん、”いま債券投資が面白い”の本が10月から始まるTBSのドラマ「流星の絆」の一場面で使われるそうですよ」という連絡を頂きました。主人公の方が金融を勉強するシーンの小道具のようです。書名がわかるほどの見せ方はないようですが、面白いですね。本の配色を気に入っていただけたのでしょうか。本のテレビデビューです。
 お気づきの方、いらっしゃると思いますが、正式に本の出版が決まりました。「あなたの投資信託選びは間違ってないか?」が9月3日から店頭に並ぶようになります。
うちの女性メンバーからは「このデザインはいいですねえ」と褒めていただきました。
「投資信託とは」という知識本でも、「こうしたらあなたは儲かる」というノウハウ本でもなく、純粋に「自分にあった投資信託をみつけたい」という人に、「何をどんな手順で知ってもらえればよいのか」を考えた末の本です。正直、かったるい部分も途中あるのですが(必要な内容なのですが)、そこはさらっと流して読んでいただき、最後まで軽快に読み通していただければ幸いです。