主要証券18社のうち、07年3月期決算では、みずほ証券を除くと全てが減益でした。みずほ証券の増益は、前の期で400億円の特別損失を計上していたことが特殊事情としてありました。
株式手数料の引き下げ競争に疲れ、個人の株式売買の大幅減少が追い打ちをかけた結果であり、ますます、証券会社の収益の柱として、分散投資という美しい響きをもつ「投資信託」に期待が集まります。
そもそも投資信託は株式や債券とは違い、「投資信託」という商品があるわけではなく、投資信託を通じて「何に投資するか」が重要で、「投資信託を通じて株式投資をするのか」、「自分で株式投資するのか」の判断を投資家が行うことで、直接株式投資を行う人、投資信託で株式投資の効用を期待する人に分かれます。
そして金融機関は、「株式投資のメリット・デメリット」、「投資信託を通じて行う株式投資のメリット・デメリット」を投資家と話し合い、投資家が自分にあった方法を選ぶサポートしてくれることを期待しています。
もっと大事なことは、投資商品は毎日値動きが発生し、購入したら終わりではなく、購入した途端に不安が始まります。これが、放っておけば満期が来て元本が確保される貯蓄との違いです。毎月毎月値上がりで含み益が知らずに貯まっていた時期がありましたが、それは希なケースでした。今こそ金融機関側は購入後不安になっているかも知れない投資家に声をかけ、事情を聞き、誤解があれば解き、改善策があれば提示する、といったフォローが重要だと考えます。売ることばかりが先行し、既存顧客のフォローが出来ていない金融機関は投資家から見切られてしまうのは必至でしょう。
投資家側も行動しましょう。金融機関が自分をおもんばかる(配慮する)ことを期待して待っていてはダメです。わからないこと、不安なこと、確かめたいこと、は自分から尋ねましょう。困ったときの対応で、相手の本性が見えてきます。
ある金融機関で質問をしたら、はっきり言葉にしてはいませんが、「そんなことまで期待されても」、「だからうちは他よりも手数料が安いのに」という困惑の顔をしていたそうです。是非自分から行動することをお勧めします。相手を変えていくのも自分の努力です。