為替は円安に振れる中で、日本株は相変わらず頼りない動きが続いています。日本の存在感は全くなく、米国市場の動向に、ただ、ただ揺れている状態です。
ニューヨークダウ指数は11年9ヶ月ぶりの安値、7114ドルまで下落しました。しかし米国は、山積した問題解決に向けて、確実に一歩一歩近づいています。その問題の大きさ、困難さを改めて確認する形で、株価は下げています。だけど、一歩一歩近づいています。
ビッグスリー、シティグループ、バンカメ、AIGグループなど金融機関の今後。市場はもはや、曖昧な先送りは許さないとヒステリックになり、当局も明確なメッセージを出すことが米国に対する信任を回復する残された手段と緊張感が感じられます。
不安で一杯の気持ちを晴らすには、一番気になっていることに対してメドをつけること。メドが付くと、今まであれもこれもと不安に思えていたことが、大したものに思えなくなり、その後の課題解決のスピードが更に上がり、好循環に向かいます。
そういう意味では、今ど真ん中の課題に対して向き合っている米国は、ユーロよりも、中東欧よりも、東南アジアよりも、もちろん日本よりも、魅力的になるかどうかの大きな転換点に来ているのではないでしょうか。「閉塞感」という言葉で満足して、何の進展もない国の住人としては、ある意味うらやましく見えます。
「『おくりびと』や『つみきのいえ』がアカデミー賞を受賞した、あのときが相場の底近辺だったんだよねえ」と、将来振り返ることができたらと願っています。