この1,2ヶ月は、「上がれば下がり、下がれば上がる」という方向感のない、つまらない相場が続いていて退屈な相場でしたが、やっとおもしろくなってきました。外貨投資を考えている人にとっては、行き過ぎた円高の恩恵を受けられるかもしれません。特に、今まで買いたかったんだけど水準が割高で通貨の分散投資が満足にできていなかった人、チャンスです。
相場は「最低ここまで覚悟しておけば心配ないだろう」という水準を割り込んでくるとパニックになり、「ええっ〜??」という、想定外の水準まで持っていかれることになります。「泣く子には勝てない」相場に入り込みます。なだめても、すかしても、怒って叱っても駄目です。売りがおさまるまで待つしかありません。誰もが価値を疑わなかった。「原油など資源価格はニーズが背景にあるので投機ではない。下がれば押し目に買いがはいるはず」、「通貨ユーロ、ポンド、資源国通貨は、米ドルがこんなに頼りない存在である以上、安くなる通貨になるはずがない」。
通貨ポンドは米ドルに対して1.8000を割り込むと一気に1.778まで、円に対しては192円60銭まで急落しました。通貨ユーロは米ドルに対して1.45を割り込み1.446まで、円に対しては157円まで急落しました。この1週間で円売り・米ドル売り/ポンド買い・ユーロ買いをしていた人は相当投げさせられたでしょうし、逆にポンド売り・ユーロ売りを仕掛けた人も多いと思われます。
昨日政策金利0.25%引き下げた通貨豪ドルは7月高値の104円40銭から90円割れと、15円程度も円高に振れました。円・米ドルの為替だけを見ていると気づきませんが、通貨円・米ドルはすごく強くなっています。
原油価格も金価格も大きく下振れしました。ここまで激しくなると、普通の投資家、本来「資産を守って増やす」ことを目的に投資していた多くの人は、相場の大きな変動に弾き飛ばされ、「何が起こっているのかもわからず呆然」という状態に置かれていると思います。
「こんな相場の動きでは動くのは禁物」と自分を戒めている人も多いと思います。
私はちょっと見方が違います。中途半端に、こういう相場と向き合うと、振り回されることになりますが、今まで投資しようと思って見てきた対象であれば、「投資する、しない」は別にして、投資する目を持って注目していただきたいと思います。「ええっ〜??こんな水準で投資できるなんて考えても見なかった」というお買い得場面があるかもしれません。ただし、今まで見てきた人ですよ。
「これから何に投資したらいいの?」と、一から準備を始める人は気を焦らすだけですから様子を見た方がよいでしょう。冷静なときに、投資したいと考えていた水準は、私の経験では信じていいものです。やっと、面白くなってきた相場をじっくり見据えていきましょう。
それから現在、シティグループのサムライ債、今年第2弾の発行が予定されています。前回は期間3年、利率2.66%でした。今回も期間は同じ3年です。どんな金利で設定されるでしょうか?利率は2.5%から3.5%の間で決まるそうですが、今年後半に向けての個人向けサムライ債、および社債の金利決定に大きな影響を与えるものと思われます。金利に興味のある方は、行方に注目してください。