米国が当たり前なのか、それともうらやましいのか??

 「なるのか、ならないのか」と注目されていた、米国住宅公社「ファニーメイ」、「フレディマック」に公的資金が注入され、米国政府の管理下におくという発表がありました。これで全て解決などと楽観はもちろん出来ませんが、ドタバタ混迷している相場を鎮静化していく効果があると素直に評価してよいと考えます。ここまで混迷すると、好材料を評価するのに時間がかかる、相場が自立して立ち直るには日柄、日数がかかる。深い傷を負った気持ちを癒すのに必要なのは良い薬ではなく、気持ちを癒す十分な時間ではないでしょうか?
 米国大統領選挙を控えて「具体的な対策が出るのは来年かも」と言われた、こうした公的資金注入の決定も、危機感があれば実行できるのですね。米国の政治がうらやましいのか?それとも、その米国が当たり前なのか?本当にサブプライムの発信源が日本でなかったのは世界の救いだと改めて感じました。
 祭りの後、イベントの後、朝が明けると、道端に散らかったゴミが目立ちます。それと同様に、景気が盛り上がっているときは気にしないで見ていられたものが、気にせざるを得ないものがでてきます。本日の日経新聞に「上場企業07年度 土壌汚染対策など {環境負債}1000億円超」という記事がありました。企業が今後環境対策として負担しなければならない支出です。これまでは、作り出すことに一生懸命でしたが、これからは社会的責任を果たす役割から、利益にはつながらないフォローのための費用がかかってきます。
 中国などアジア諸国も、安い労働力、安い資源を活用するため、公害の発生や人権問題に目をつぶりながら、生産を優先してきました。すでに「環境負債」の問題は目を背けることが出来ないくらい大きな問題になってきました。
 日本の企業のエコ技術は本当に世界に通じるものなのでしょうか?携帯電話のように「いいものを早くから持っていたんだけど、世界規格には合わないんだよね」と、おいてけ堀をくわなければと思います。思いつきの題目で言ってみただけの話題ではなく、米国のように実効性のある実行を次の政府にはお願いしたいです。