注目されていた米国の金融安定化法案が下院議会で、まさかの否決となりました。これを受けて、ニューヨークダウ株価は777ドル安、原油価格は再び100ドルを割り込み95ドル台まで急落。気がついてみれば、約470の水準まであったCRB商品指数は2年前当時の水準まで戻ってしまいました。米国議会は、繰り返し後悔を促される結論を出してしまったと個人的には考えています。
何やら、先週見たNHKの「篤姫」のシーンを思い出し、ダブってしまいました。
攘夷を強く要求してきた朝廷の意向を幕府は抑えることができず、ついに長州は米国に、薩摩は英国と戦争を始めてしまう。始めてみれば、力に差は歴然。あっという間に長州、薩摩は完敗となり、その後の「攘夷」から「開国」に向けての転機になっていくそうです。
大国に砲撃を決定し攘夷を実行する時期を控えて、勝海舟は将軍家茂に言いました。「これにより、攘夷派は現実を見て、開国を真剣に考える良いきっかけになるでしょう」という見方を伝えました。私は今回の下院否決、そして混乱が、より「世界的な金融安定化を進めなければならない」という危機感を共有して行動する、良い機会になることを期待したい。
もちろん私の話は変わりません。ここで投資の余力と気力のある人は、「まさかの否決ショック」を、「小さく産んで大きく育てる」投資の機会として検討していただきたいと思います。