日本株の値動きは何故米国より大きい??

 本日の日経には「日本株の値動きなぜ米より大きい」という記事があり、日本株式の売買の約6割が外国人で、「日本株の中心はトヨタに代表される世界景気の動向に収益が大きく左右される企業」であり、加えて、「欧州投資家にとってはユーロ建てで見ると円高になり、他から見ればやられ方が少ないから売却対象になった」という観測記事がありました。
 日本株は外国人投資家にとって「アジア株のひとつ」でしかなく、自国通貨として、大きな金額を、できるだけ早く、できるだけ価値を下げないで資金を捻出しようと考えた場合に、中国や韓国、台湾、インド株式ではなく、日本株式が重宝な存在として選ばれたのではないかと私は考えています。日本株式の換金性の高さが売りを加速させたと。
 このように下げ相場は日本株にとって厳しい環境ですが、底を打ち再び投資熱が戻ってくれば、逆に今回売られ方のきつかった日本株式の流動性が見直され、同じアジア株式に分散投資をするなら日本株式だと優先順位は高くなると思います。今後しばらく混迷した相場が続くと仮定すれば、いざというときの換金性が担保された投資対象であることが必須条件だと私は考えています。
 昨日、日経平均型ETFは終日ストップ高買い気配。これまで信用取引で売りをかけていた人は気が気ではなかったでしょうし、買い注文を入れた人も「結果ストップ高かあ。明日は頼むぞ」と神頼みで、ニューヨーク市場からいくらで戻ってくるかと不安な気持ちで過ごした人も多かったと思います。その点、インデックスファンドなど投資信託であれば、こんな日でも、自分の思った金額を換金できるし、買うこともできました。ETFの売買では、思うように売れず、思うように買えなかった人もいたでしょう。
 日経平均型やTOPIX型のETFで、売買が不自由になるなんて考えられなかったマーケットに慣れていた投資家にはショックを与えた相場でしたが、市場の需給によって成立するETFの仕組みを理解するのに貴重な一日となりました。
 またこんな記事も日経にありました。「NY原油マネー流出鮮明、06年7月以来建て玉少なく、ファンドが手じまい売り」。確実に原油の値動きに投資していた投資家の参加は減っていますし、意欲も減退しています。あんなに大量な商いが右左に乱れ飛び、自信満々だった参加者の顔色が変わってきている様子が見えてきます(実際顔を合わせているわけではありませんが)。
 原油価格は一時少し持ち直す場面もありましたがついに80ドル割れ。産油国首脳からは「本来100ドルが妥当価格」だとか、なんとか、という声を耳にするたびに、「行き過ぎた相場は妥当価格では止まらない」という真理がちらちら浮かびます。「安くなったら買いたい」という買い意欲を持つ人が減り、「こんな価格では売れない」と売る意欲を持つ人が減ると、ますます出来高が細り、換金性がなくなり、正当な価格がつきにくくなります。
 大事な資産の投資先を決めるなら、換金性の高いことを重視したほうがよいですよ。