駄々っ子市場を収めるために、「これで文句あっかあ?」と各国政府・当局は、伝家の宝刀「資金注入」を抜きまくりました。対策を小出しにしていては、「親のすねが無くなる」危機感の表れです。そこまで世界に危機感を共有させたニューヨークダウ株価指数の8000ドル割れと為替相場の円独歩高は大きな足跡を残しました。もちろん本日の上げは下げすぎた、悲観に傾きすぎた反動であり、これで「相場は持ち直した。大丈夫」という展開は期待できませんが、「どこまで下がるのだろうか」という底が見えない恐さは徐々に薄れてくると思います。
今週は米系銀行の決算発表が続きます。12月は外資系企業の決算によりドル需要が高まりますし、米国のクリスマス商戦不調の話はこれから、時ある毎に伝えられるでしょう。相場の悪材料、不安定材料だと思えば、きりがない話が満載です。しかし、相場がまだ織り込めていない話がどれだけあるのでしょうか?そして相場が織り込んでいる話がどれだけあるのでしょうか?そんなことを正確に言い当てられる者などいないでしょう。あくまでもそれは、ムード、センチメントの流れ次第です。そんなことに毎日振り回されていては疲れるだけです。
相場は下げれば上がるもの。上げれば下がるもの。行き過ぎれば戻りも大きい。
上がっているときは「どこまでの下げが有り得るのか」、下がっているときは「どこまでの上げが有り得るのか」、冷静になって考えたときの水準以上に戻ってきたら、投資に慎重な態度でいることが大事だと思います。
現在の水準まで下がれば、これまで下がってきた割合を考えると、これからの下はたかが知れています。そして、ここまでの下げがあった後は、「慌てて買わないと上がってしまう」という一方方向の相場に入るまでには必ずシグナルがあり、急に転換することはなく、上値と下値のレンジを切り上げる、切り下げるのレンジ相場が長くなるのではないでしょうか。
それにしても、為替相場は一喜一憂させられますねえ。豪ドルの63円の円高はびっくりですが、いきなりの73円の豪ドル高もびっくりですね。英ポンドは165円から180円に。まるで株価の動きのようですね。