バブルだからこそ値上がりしたものの価格見通しは厳しい!!

 今思うと、「何でこの価格があそこまで上昇し、しかも買い手が殺到したのかなあ」と不思議に感じるものがあると思います。ガードレールや車止め、滑り台までが一夜にしてなくなちゃうとか。高い食材を食べることに意味を置く番組がはやるとか。「バブルだからこそ浮かれて買い込んでしまったもの」が身の回りに残っていませんか?「今だったら買わない」という代物が。
 やはり最終製品が上がらないのに、素材だけが高騰し続けることなんか有り得ませんね。最終製品が上昇するか、素材が下落するか。
 ものの価値は余っていれば安いまま放置されます。次に在庫がはけていけば、できるだけ買い手がいるうちにはこうとしますから、価格は安いままです。しかしそれでも買い手が多ければ、やっと価格は上昇に転じます。良い品は価格交渉で強みを発揮し価格の上昇が顕著になります。すると、二番手以下の品も割安見えて買い手が殺到し、良い品もそれほどでもない品も同様に買われます。価格上昇のピッチは早まり、売れるかどうかは別にして、品を押さえようと更に買い手が増えますので、価格は一気に上昇します。
 しかし、余りの価格上昇に消費者はついて行けず、代替品を求めたり、購入をあきらめてしまいます。すると高値で仕入れた在庫がはけず、業者は途方に暮れます。安売り、ダンピングは、自分の首を絞めると慎重になります。同業者が投げ売りをしないかと警戒します。買い手は投げ売りがあれば買おうと思いますから、ますます需要が引っ込んでしまいます。高値の気配だけが残り、ものの動きが完全に止まります。価格上昇に根拠が無く上がったものは、妥当価格の目安は立ちません。売れた価格が実勢値段となり、価格はつるべ落とし。「これは安いだろう」という価格設定まで落とし、買い手を呼び込めるようになるまで下がります。
 これは日本だけの話ではありません。世界で同時に始まります。どう考えても「インフレ」よりも「デフレ」に対する懸念の方が実感に近いものだと思います。だからこそ、「何が割安なのか、割安すぎるのか」に注目することが大事です。「価格が安いから悪いもの」ではありません。それは「価格が高いから良いもの」という同じ間違いです。