「好況よし、不況さらに良し」。好況の時には見えなかったものが、不況の時は歩みが遅くなることで気がつくことが多くなり、不況の存在は、次の好況の時に備えて改善する絶好のチャンスになるという松下幸之助氏の言葉です。不況の時だからこそ、できることがある。前向きな言葉ですね。
本日の日経新聞に、工作機械の森精機製作所が減産で空いた時間を社員研修に充てるという記事がありました。機械の組み立てや測定器具の使い方を指導するほか経営理念も確認し、人材育成を強化するとのこと。
これは良い試みですね。無理してニーズをこじ開けて顧客に売り付けても、販売数の増え方は知れています。それよりも、好況の時には忙しくて伝えられなかった、ノウハウ・知恵の伝承を行い、個人のレベルアップを行う。競合会社とは、個人レベルで差をつけて、顧客に頼られる企業をめざす。追いかけるのではなく、頼ってもらう。
どうせ今の環境では頑張っても売れないのです。しかし、いずれ売れるときはやってきます。
顧客が「どこに頼ろうかな」と思ったときに、真っ先に声をかけてもらえるように顧客サービスに留意する大事な時期です。「景気が悪い」ことを理由にしている企業や個人からの話を聞いていても、顧客にとってはつまらない話です。時間の無駄です。
「景気が悪い状況には変わりはありませんが、私の会社では、私はこんな事を考えているんですが・・・」という工夫の話は興味深いですよね。そんな話を一杯一杯聞きたいですよね。