投資の話になると「今、何が良いですか?」と良く聞かれます。この質問には困ってしまいます。
だけど、「私は●●に投資したいと考えているのですが、前川さんはどう思います?」という質問であれば受けやすいです。
投資で大事なことは自分で決めることだと私は考えています。
たとえば「今、どんなものに投資した方がいいですか」という人がいて、私が勧めたものが、たまたま良いところで買えたとします。その人は、自分で買うことを決めたわけではなく、私に言われたから買ったとしたら・・・。
その人は、その金融商品が下がれば不安になるのは当然ですが、たとえ上がっていたとしても「いつ売ったらよいか」に悩むでしょう。つまり「買いのタイミング」を人に聞く人は「売りのタイミング」も人に聞かないと売れない人になってしまい、結果相場の上下に気持ちが揺さぶられ、儲かっているときはあってもそのときには売れず、大きく下がったときに堪えきれなくなって大きく損を出して売却するといった不幸なケースになることがままあります。
現在は、誰が買っても、どのタイミング買っても、儲かるような簡単な相場ではなく、しかも投資してもすぐに報われない、辛抱のいる相場です。したがって、私は「今何が良いですか」という質問には慎重です。「私はこう考えるのですが・・」という話があれば、積極的に一緒に考える機会が持てるように努力しています。
人に言われて始める投資。人に説得されて始める投資。それは投資を始める機会にはなりますが、投資を身につけることはできません。投資はしなければならないものではありません。投資をしたことで、日常の生活に支障が出ているようでは本末転倒です。投資をやる、やらないは自分で決めるもの。何に投資をするのか。どのタイミングで投資に取り組むのか。それも自分で決めることで、人に主導権をとられて行うものではありません。
最近の株高・円安で「投資を・・」と考える人が少しずつですが増えてきたように感じます。
是非是非、「何がいいですか」ではなく、「私はこう考えているのですが・・」という問い合わせをお待ちしています。