売り時の判断は難しい。打ち上げ花火はいつパッと咲く??

 相場が上昇してくると「いつ売ったらよいか」にどうしても悩んでしまいます。本日の日経新聞にも「売り時を逃したくない」という投資家心理と、「利益を確定してもらって投資家に良い気持ちになってもらい、次の販売につなげたい」という販売側の心理が背景なのか・・・
3割利益が出たら自動的に利益確定するといった「目標設定型投資信託」の設定が相次いでいるという記事がありました。
 昨日のブログにも書きましたが、「投資は自分で決めるもの。勝手に売られてしまうなんて邪道」というスタンスを持つ私としては、本来であればこの手の金融商品をお勧めしません。「自分で利益確定すればいいじゃない」。自動的に利益確定する仕組みはタダではなく、通常コストがかかるものであったり、売却に不自由さが伴ったりするからです。
 しかし、現在のようにプロでさえも判断に迷う相場にあっては、こうした「目標設定型」の投資信託のタイプもありかなと思っています。「あーあのとき売らなければもっと上がっていたのに・・。でも自動的に売られてしまったんだから仕方ない」と、自分の判断ではなく仕組みのせいにできるので、相場に対して穏やかでいれそうだからです。
 現在のこの環境での何よりの薬は「リスクを取った結果の利益を確定する」ことだからです。
 人によっては「2割上昇で利益確定するタイプを選ぶのか、3割上昇で利益確定するタイプを選ぶのか」で迷う人がいるでしょう。くれぐれも、上昇率の設定が高い方が良い投資信託ではありませんからご注意を。利益確定は目標額に届くことが前提ですから、自分が確実に利益確定が可能だと思う設定を選ぶことが大切です。
 「俺は2割上昇では物足りないから、5割上昇のものを選んだ」という人。5割上昇が3年後に達成できてハッピーな結果で終わったとしても、もしかしたらその間に2割上昇程度の相場が何度かあったとしたら、2割上昇を繰り返しチャレンジした方が得だったという具合になるかも知れません。
 そしてこれは当たり前なのですが、「この投資対象であれば2割の上昇は難しくないだろう」と将来の価格動向を予想できる人が投資する投資信託です。「2割の上昇があり得るか、どうか」のイメージを持てない人が「2割の儲け」につられて投資するとストレスを抱える結果になりかねませんからご注意ください。
 いずれにしても、相場は久々の上昇トレンド。この打ち上げ花火はどこまで行ってパッと花を開くのでしょうか?楽しみにしています。