野村證券は金融危機が深刻化した後も、唯一前向きな営業を展開してきた金融機関だと私は思います。
リーマンショックの最中、ブラジルレアル連動型のETFを上場させ、昨年年末には、野村證券自らの発行で期間8年、利率3.60%の期限前償還条項付劣後社債を個人向けに募集し3000億円以上集めました。今年に入って、米ドル建て低格付け社債を投資対象とし、その保有資産を円、米ドル、ユーロ、豪ドル、南アフリカランド、トルコリラ、ブラジルレアルを選択できる通貨選択という新しいブランドを定着させました。つい先日の発表で、純資産総額が5000億円に近づいたため、久々に募集を一時停止する投資信託となりました。このところ、野村證券で販売している投資信託はよく売れているようです。
2月、3月と現在の投資環境は様変わりしています。株価は2割上昇、為替も概ね2割上昇。これを掛けあわせた、株価上昇のメリット、為替円安メリットを享受していれば4割〜5割、短期間で利益が出ているわけです。このリスクを取って投資した人にとっては、久々のニンマリ。それと同時に、それを案内し顧客に喜んでもらい、案内した自分に自信をみなぎらせ、鼻息が荒くなっている野村證券営業マンの様子が目に浮かんできます。
この動きは、当然野村證券社内全体に広がっているでしょう。「売るぞー。売ったるぞー」。
他社、他行も、二匹目、三匹目のどじょうを狙う動きに入ってくるでしょう。
したがって私の見立ては、野村證券の販売している金融商品が売れているのではなく、野村證券が金融商品をたくさん売っているのだと思います。販売する側の意識の強さだと思います。
野村證券とお取引のある方。注意が必要ですよ。かなり、自信持った声音、声色で野村証券の営業マンが金融商品を勧めてくる機会が多くなってくるかも知れませんが、決して勢いに押されて買ってしまってダメですよ。
今回多かれ少なかれ、我々は痛い目に遭い、「自分にあった投資スタイルがあるはずだ。勢い、ムードにながされず、自分にあったものに納得して投資しよう」と心に決めたはずです。
「大変な売れ行きですよ。あといくらしかありません。売り切れてしまいますよ」
「いいんですか。のんびりしていて」などなど・・・。
私の印象では、野村證券営業マンの3月、4月の頑張りは久々にすごいものを感じました。その結果が、成果に表れているわけですから、鼻息は荒くなるばかり。
野村證券営業マンに警戒注意報発令・・・。投資家は冷静に自分にあったものを選びましょう。
世間で売れている売れ筋商品が自分にあった金融商品とは限りません。でしょ?だったでしょ?