5月8日にトヨタ自動車が2010年3月期の業績予想を発表しました。市場の事前予想に比べ赤字幅が大きい8500億円の営業赤字です。大幅営業赤字の根拠は、販売台数の減少継続や為替の影響の他、年間1000万台の生産設備を持ちながら、実際の生産台数を650万台にとどまると想定し、製造設備や人員の過剰が利益を圧迫するということ。
アナリストの評価では「かなり保守的」に見積もった業績予想であると見る向きもあり。
本日の日経にも、トヨタが18日に発売するハイブリッド車の新型プリウスについて、東京トヨペットには予約が殺到し「いますぐ予約しても納車は9月下旬」という声が紹介されていました。
私の正直な感想を言えば、「こんな至れり尽くせりのエコカー減税」と消費者受けを狙った価格設定された車が売れないわけがないと思います。
トヨタの渡辺社長は非常に厳しい顔で、そして厳しい環境は続くと、業績予想を発表していました。しかし昨年から渡辺社長はグループ社員に向けて「おごるな。気を緩めるな」と厳しい警告を発していました。クライスラー、GMの今後の影響はもちろん出てきて当然ですが、厳しい環境の中で生き残った企業は以前にも増して存在感が重くなる、残存者利益は大きいと私は考えます。
この厳しい環境で一番大事なことは、この厳しい環境の中でも生き残ることで、そのために何が出来るかと前向きに考えることをあきらめないことではないでしょうか。
本日は久々の円高・株安に大きく振れました。地域、国、地方、企業、個人、それぞれの立場で、金融危機が深刻化したこの半年間を前向きに試行錯誤を繰り返してきたところと流れに任せていてただ過ごしてきたところとの差がこれから出始めるのだと思います。
同じ業界、同じ役割であったとしても、同じ結果になるとは限らない。
このたびの円安・株高の基調で、久々にリスクを取った人が報われる環境になりました。投資にかすかな灯が点りました。この灯が再び消えてしまうような急落が今後発生すれば別ですが、それほどではない下落はむしろ、「買いたい人、投資したい人」の機会を提供する場になると私は考えています。
頑張っている地域、国、地方、企業、個人の様子が励みや勇気づけになるような機会が早く来ることを望みます。