日本のメガバンク3行に150億ドル協力要請の意味は??

 サブプライム問題に対応するため、米大手銀行のシティグループ、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースが、存続期間10年、総額500億ドルの資金を準備する対策基金を創設する予定。
 米大手3行が各100億ドルで、日本の三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友銀行、みずほコーポレート銀行には各50億ドルの信用枠の設定要請があり、邦銀3行は「不当に多額である」と戸惑っているとのこと。
 確かに邦銀がこれまで計上してきたサブプライム関連の損失額と比較すると、米大手銀行3行と邦銀3行との差が少ないようにも思えます。
 ここで疑って考えれば、「邦銀3行は気づいていないけど、これぐらいの金額を積んでおかないと大変になりますよ」と米銀大手3行は、この各50億ドルの数字に妥当性を持つ確信があるのかもしれません。われわれ、預金者の立場から、米銀に対して「何故各50億ドルの数字が出てきたのか」の説明を聞きたい思いませんか?
 もし当事者である邦銀3行が事態に気づいていないとしたら、危機管理能力が十分でないことにもなります。ただ、言われて戸惑うだけではなく、銀行としても、その根拠を確かめるべきだと思います。こうした点を曖昧にしておくと、数字が一人歩きをして、「邦銀3行にも隠れた大きな損失あり」という、いらぬ噂を立てられかねません。
 報道では、この基金の存続期間が10年であることに注目していました。このサブプライム問題の解決には、少なくても10年の期間を要するほど、深刻な事態であるという、米銀大手3行のメッセージだということです。
 日本では証券化商品の取り組みが遅れていたのを幸いに、欧米よりも被害、影響が少ない、という見方をされていますが、本当にそんな楽観的な見方で構わないのでしょうか。日本の資本取引の規模の割には少なすぎるようにも思えるのですが。「気づいていない」、「見たくも無い」という隠れた損失は本当に無いのでしょうか?実態が把握できていない状態のほうが、後に受けるダメージは大きなものになります。私は米銀から出てきた、違和感のある数字の額が気になります。
ただ、ふっかけられた数字であることを期待します。