現在、日本株式相場の頭を押さえている要因として、何か忙しくはしているけど将来どっちに向かっているかの展望が見えず、国民を不安にさせている政治のリスクと、何のために資金を集めて株主にどんな形で報いようと考えているのか見えない公募増資等のエクイティファイナンスのラッシュが上げられます。
特にエクイティファイナンスは株式の希薄化で直接既存株主にダメージを与えるものであり、
「今は迷惑をかけるけど、調達資金はこういう使い方をし、こんなビジネスモデルを描いています。どうですか?こんな資金の使い方をすれば、我が社にとって現在のこの状況はむしろプラス転換する好機だと思いませんか?」
「それなら株主として今回のエクイティファイナンスによる資金調達は応援しなければならないなあ。頑張れ」・・・シャンシャン
という株主に対する説明責任が十分にできているとは思えません。「だって仕方ないじゃん。お金が必要なんだから・・・。ねえ頂戴。他だって公募やってるじゃん」(なんかどら息子的な言葉遣いになってしまいましたが・・)
目先は株価は下がるけど、企業姿勢が評価され、売り上げは増加、財務体質は強固となり、今回のエクイティファイナンスを機に、最終的には株価も値上がりし既存株主もハッピー。ただ、我慢しろでは、株主はどんどん減っていきます。
1978年に「野生の証明」という映画があり、そこのセリフに「男は強くなければ生きてはいけない。優しくなければ生きていく資格がない」がありました。これって、企業と株主の関係で大事なことだと思いませんか?「企業は強くなければ生きてはいけない。株主に優しくなければ生きていく資格がない」
株主を大事にせな、いかんぜよ。