金利は上がらない、お金は余っている!?

 政治の世界も、金融の世界も、頼りなく、ついついリスクを取りづらくなっています。

本日の日経記事は、企業業績の回復に加え、手元資金が積み上がり、投資余力が増しているが、大型投資に踏み切る企業は少数派であると伝えています。上場企業の3月末の現預金と短期保有の有価証券を合計した手元資金は63兆円と過去最高。お金は十分すぎるほど余ってきているのです。これでは、社債利回りが下落してきているのはもっともな話です。
 おそらく、この動きは、日本特有のものではなく、金融危機の経験から生き残ってきた企業の、世界的な状況ではないでしょうか。当面はリスク回避の動きが勝り、安全資産に逃げ込む流れが続くでしょうが、「ところで、売ってどうするの?」と売りに躊躇する相場展開にいつ転換してもおかしくないと思います。
ポジションを解消して、円に戻したが、そのままにしておいてよいのか?
なんで運用したらいいのか?
持てば持ったでストレス、放せば放したでストレス、投資は厄介なものです。
 今はやるやらないは別にして、「これは割安だよねえ」という対象を探して、見つけて、検討する時期だと思います。「ため息をつくほど美しい」ではなく、「ため息をつくほど安すぎる」ものを探してみて下さい。
 本日午前中の日本株相場は下落しました。個人的には、これほどの軟調相場になるとは想定していませんでした。それだけ、投資熱が冷え込んでしまった、期待が薄れてしまっている証左だと思います。だからこそ、今、頭を整理する適当な時期だと考えています。