昨日、米国のFOMCで政策金利FFレートが5.25%のまま、据置されることが決定しました。私は0.25%引き上げて様子を見ると予想していましたので「はずれ」です。
今回FRBは政策金利を据え置いたことにより、インフレ動向には警戒しつつも、景気配慮から金利引き上げは様子を見ざるを得ないぐらい、米国景気の減速が進んでいると認めたといえるでしょう。したがって景気堅調を背景に長期金利はこれまで上昇してきましたが、景気に再び強さが確認できなければ長期金利が大きく上昇する機会は当面なくなったのではないでしょうか。6月末ごろの長期金利5.24%が当面のピークであったことになります。
しかしインフレ懸念は残っているわけですから、政策金利の引き上げは打ち止めではなく、今回は中止であり、再び原油高騰などのインフレ懸念を抑制するために引き上げを再開することは十分想定されます。これは景気堅調を背景にした、これまでの金利引き上げとは異なりますから、景気に影を落とす悪い形の金利上昇となり、株価の急落につながる可能性が高くなります。ベストのシナリオは、政策金利を高めに維持している間にインフレ懸念が薄れ、景気に再び安定感が出てくることです。
為替は円安に振れるのか、円高に振れるのか、今後も一定の見方は困難ですが、世界的な長期金利の上昇には限度が見えてきたように思います。10年米国債の利回り5%程度の水準は「今思えば高い水準だったな」と思う日がくるのではと私は考えています。