銀行が債券に積極的な取り組みを見せないのが不思議??

 本日の日経記事に「個人向け国債 応募最低」とありました。財務省の発表では10月発行の個人向け国債の応募額が過去最低の865億円で、コンスタントに1兆円〜2兆円を集めた時期から大きく落ち込んでいる。

 原因はもちろん、金利水準が低いためであり、個人向け国債自体に問題があるわけではなく、「どうしたら売れるのか?」と悩んでも仕方がないことで、解決策としては金利を上げるしかありません。
 金利はお金の価値ですから、政府が個人の資金を当てにして、どうしてもお金を集めたいのであれば、個人に対して特別優遇レートを出し、特別扱いとするのも選択肢です。
 それ以上に有効なのは、銀行預金ともろに競合する期間1年の個人向け国債を発行することです。
預金集めに熱心なのか、熱心でないのか、このゼロ金利の定期預金をありがたがっているのか、ありがっていないのか、わからない銀行と、明らかにこの低金利で安定した資金調達を行いたい国との競争を促すことは、国民にとっては選択肢が多くなり、サービスの質の向上にもつながることが期待できます。
 銀行によっては、自らの預金集めと平行して個人向け国債の販売に、もっと熱心になるところも出てくるのではないでしょうか。
 私は以前から提唱していますが、銀行は「投資信託」よりも「債券」「外債」をもっと戦略的に勉強して、積極的に取り扱ったほうが預金者にも喜ばれるし、銀行としての存在感アップに寄与すると思います。
 債券を預金の競合商品としての位置づけで見ているとしたら非常に狭い了見だと思いますしもったいないと思います。「損して得取れ」。「虎穴にいらずんば虎児を得ず」。