今週のなかなか株が上がらない、円安に振れない相場状況に「何故上がらない。何故円安にならない」と話しかけ、「もう株安・円高のトレンドに戻るのか」と心配する方から、何度か問い合わせを受けました。私はGM問題の決着を来週に控えた今週の投資環境で「株が上がらなくても」「為替が円安に振れなくても」、不確かな要因が目の前にある以上仕方ないと考えます。
最近の円高・ドル安を「米国国債の格下げ懸念」だとか、「税制上優遇を期待した円の国内回帰」だとか円高・ドル安に振れた要因として挙がってはいますが、どうもピンと来ません。
ただ単純に円安・ドル高に進むと期待したが、ピッチが遅いので利益確定をして様子を見ていたら、抵抗ラインの95円を割り込んでしまい、93円がらみまでの円高の可能性が出てきたため、ドル買いの手が止まった結果の円高・ドル安なのではないでしょうか。
どこで円高・ドル安が止まるのかが確認できれば、再び98円程度までのドル高・円安基調に戻るのではと私は想定しています。当然、そんな為替の状況では、為替水準に敏感な日本株式は期待だけでは上がる事は難しく、再び円安基調が見えるまでは低調な動きが続くでしょう。
ただし、現在は株安・円高なのでしょうか?個人的には株価も為替も下値が固くなって安定感が以前よりも出てきていると思います。
「這えば立て、立てば歩めの親心」。気持ちは非常にわかりますが、誰が名付けたか、「百年に一度の危機」。そんな急にバブルに戻ることはありません。まずは、這っている姿を目に焼き付けて立つまでの過程を楽しみたいと思います。