春先、あるヘッドハンターの方が「今年は最高の年になる」と話しをしていました。これまで業績回復に自信が持てず、採用に慎重だった金融機関を中心に、好業績を背景にリクルートに予算が多くついた。従って新卒者はもちろん、中途採用が盛り上がる。高収入の転職を見込んで働き手のニーズも高いという感触が背景です。
大量採用となれば場所の確保がいる。手狭になったオフィスを移転する、独身寮を復活する、保養所は持たないけどレンタルしようなど、不動産需要も高まった。今年の不動産会社は売る人、仲介する人、貸す人、関わる人すべてがホクホク顔。
おまけに地価上昇で過去の不良債権の損失処理にもメドがつき、むしろ「いいところがあれば」と物色する人も現れた。
昨年は中国の資源ガブ飲みにより商品市況が全面高、持っていた在庫の価値が上昇し含み益となって、鉄や石油などのメーカー、商社は空前の好決算。今年度上期も相変わらず決算が好調なところが多いが、下期や来年以降も商品市況の活況が続くとは限らないため、企業側は慎重な見方を続けている。
これまで何度となく、商品市況高騰や地価高騰で強気になって、投資を増やし、後で過剰投資だったと後悔を繰り返した。
今回の景気回復はこれまでとは違う。何故なら過去の反省が活きて、いけいけドンドンの投資にならないように企業側が慎重で、だから景気回復が長続きしているし、これからも期待できるという。
来年はポスト小泉後の安倍政権の実力、大量採用後の企業業績、商品市況・地価動向の今後を「期待」ではなく、「現実」として受け止める年になりそう。
投資で大きな損を避けるため、相場水準の割高・割安の確認を常に行い、「割安」になったときに行動できるように「割高」のときには冷静でありたいと思います。