米ドルが昨日ついに115円を割り込みました。海外市場では114円42銭までの円高・ドル安。クロス円と言われるユーロが1円、英ポンドが2円、豪ドルが1円、NZドルが1円、それぞれ円高となる円の独歩高となりました。
現在1.332程度のユーロ・ドルの上昇メドが、1.35と言う人もあれば、1.5まであるという強気な声も聞かれます。一方米ドルはドル安の見方が多く、現在の水準が妥当だとか、114円では止まるとか、下値のメドを言うことをはばかるほど、不透明な状況です。
これまでドル高・円安の根拠になっていたのは日米の5%程度の金利差が背景でした。119円台の水準でも同様でした。私はこのとき、「金利差があれば、119円でも、120円でも、130円でも、ドルの水準を肯定するのか。金利が縮小したら、逆に80円、70円の円高があっても妥当と言えるのだろうか」と119円以上の円安で投資することに否定的でした。
そもそも、金利差が円安の根拠として永遠であれば、日本の低金利で運用する人は本当の間抜けということになります。
それよりも金利が高い米ドルで運用して、しかも為替が円安に振れるならば、願ったり適ったり。つまり高金利は将来為替が円高に振れたときに、金利と相殺して損だったのか、得だったかの保険と考えるべきだと思います。
したがって米ドルで投資する場合、金利水準と為替水準のバランスが取れているかを考えなければなりません。
投資のタイミングは、投資対象ではなく、投資対象の水準が割安か割高ではかります。「日本株式はだめ」ではなく、「18000円の日経平均株価水準は割高だけど、14000円は割安」。
同様に、日米の金利差と円・米ドルの水準のバランスはいかがでしょうか。ドル119円は割高だけど114円はどうか?
ドル安のトレンドは117円を割り込んだ時点で修正され、112円を目指す円高に転換。しかし日米金利差は久しくこれからも残るとすれば、現在のドルの水準は割高ですか。妥当ですか。割安ですか。
少なくても119円よりも割安になっています。一番良いところで投資することを狙いすぎると、心が苦しくなります。自分が納得して投資してもよい水準を、投資する前に決めて、いざそのときが来たときに慌てないように考えておいた方がよいと思います。今週は115円を大きく割れて、112円を目指す円高があり得るかどうかの転換点だと私は考えています。