週末の為替は円独歩安の修正から、ドル高、そしてクロス円の買い戻しとなりました。やはり円高に振れても大きく底割れする状況ではなさそうです。米国長期金利は一時5.25%まで上昇し5.1%前後で高止まり。景気後退観測による金利引き下げの見方を市場は打ち消している形です。
今回の世界的な金利上昇は、先週予想外に政策金利を8%に引き上げたニュージーランドショックとも言われていますが、世界的に景気の行方よりも、インフレ懸念を意識し始めた表れと言えます。したがって、インフレファイターとして大きな存在感を持つ欧州中央銀行、同様にインフレ懸念を表明し金利引き下げ期待を打ち消す米国FRB、言葉の端端に機会があれば政策金利を引き上げたいという意欲が見える日銀の、それぞれの意志の堅さから当面市場は金利上昇を疑う状況が続くと思われます。米国長期金利が5%を固める状況が継続されれば、日本の長期金利も2%水準が予想されます。
あえてキャピタルゲインを狙い下落リスクを負うよりも、確実なインカムゲインを確保する動きが先行し、これまで堅調で推移したリートや株式の中で「割安になったら買いたい銘柄」と「下がっても興味を示されない銘柄」と調整する場面で、慎重に物色される相場がしばらく続くのではないでしょうか。
そういう意味では値動きが緩慢な退屈な相場が続くかも知れませんが、逆にこれから参院選前後まで、思わぬ買い場が提供されるかも知れません。今回のコムスンではないですが、緩慢な下げ相場の時に限ってアクシデントが発生しがちです。みんなが関心を持たないときにチャンスが眠っています。関心と興味が途切れないように、相場と向き合っていくことをお勧めします。