昨日うちの家内から「お父さんはいつもそんなふうに答えているの?」と注意を受けました。「個人向け国債5年固定型の今回の条件気に入っているんだけど、主人が次回の条件の方がもっと良くなるって言うの。ご主人はどう思っているか、聞いて」と知り合いの人から電話で家内が頼まれました。そこに、たまたま私がいたので、「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。だけど5年の1.5%は魅力だと思います」と家内を通じて答えました。
電話を切った後、家内は不満顔です。「お父さんはいつもそんなふうに答えているの?当たる当たらないは別として、せっかく聞いてくれたのだから、あんな曖昧な言い方しなくても良いのに。だからお父さんの話は一般受けしないのよ」
おいおいそこまで言うかよ。私は家内に言いました。「俺は当てものをしているわけじゃないし、予言者でもない。本当のことを言っているだけ。だけど自分の考えとして5年の確定運用で1.5%あれば魅力だと伝えているじゃないか。お父さんのところに相談しに来る人は判断に迷った人。「同じ立場だったら前川さんはどう考えるのか」に興味を持って聞きに来てくれているとお父さんは思っている。だから無意味に期待させる話にならないように注意している。相手の判断をかえって迷わすから」。しかし家内の反応は「ふ〜ん」で決して答えに満足していない様子でした。
私は運用で大事なことは、もし思いと逆の環境になった場合でも気持ちを立て直して、再度運用と向き合っていけることだと思います。上がると思ったのに下がって損をした。その結果、運用のやる気が失せて、なんで安易に投資の決断をしてしまったのかと自分を責める。これって、投資との付き合いで一番避けたい結果です。そうならないためには、最悪の結果を想定しても次の手を打てる心の準備をしておくことです。
次回個人向け国債の条件が良くなった場合、やっぱり待って良かったと思うでしょう。逆に悪くなっていればやっておけばと後悔するかも知れません。ここで次回を待つと言うことは、条件がよくなることに賭けることになります。次回の条件が決まるまでドキドキしますね。このドキドキがその人の張り合いになるなら構わないと思います。そうでないとしたら・・・。
まず今回の5年1.5%の固定金利の条件は、他の固定金利の金融商品と比べてどうなのかを比較してみてください。そこで、やる価値があると思えば、それでOKじゃないですか。しかしご主人の「次回の方が良い」という話も気にかかるというのであれば・・・。次回その通り条件が良くなったら、それもラッキーで購入しましょう。お金がない?だったら、今回の分を半分にして、次回に備えたら。でも条件が悪くなったらがっかり・・・。であれば、次回の条件にヤキモキするよりも、今回の条件で良しと思っているなら今回で決めてしまったら・・・。一番大事なのは条件の水準の高さではなく、その条件に自分が納得しているかどうかです。それは一人一人の価値観が異なるわけですから、自分の考えを押し付けてはいけないと考えています。
自分だけで考えていると、あーでもない、こーでもないと袋小路に入り行き詰まってしまうことが多いと思います。頭の中で天使と悪魔がささやき合う場面があると思いますが、私はその天使役(家内にまた「えっ〜」と注意を受けそうですが)として重宝な存在でありたいと思っています。
ところで円の独歩安の修正は一旦終了したみたいですね。為替の動きは国内マーケットが終わってからが本番。円高のタイミングを待っている人にとっては歯がゆい相場が続きます。