毎週水曜日ごとに「円高に振れました」、「円安に振れました」、「円高に振れました」と為替の様子を伝えるぐらい、大きな上下の動きが小刻みになってきました。円が相対的に安くなりすぎたため、「まだまだ安くなる」という見方と「そうは言ってもピッチが速過ぎる」という見方と交錯して、水準に迷いが出ているように思います。妥当値がわからなくなっているということは、思いの外良い値で売れたり、買えたりする可能性があるということですから、ワクワクとそのタイミングを待ちたいものです。
ところで先日、仲間から「野村證券が日経平均株価参照のリスク軽減型投信を取り扱いますよ」と知らされました。この投信は日経平均株価がいくら以下にならなかったら元本が確保されるけど、それを超えて下がったら元本割れの可能性がある仕組み商品。決して元本確保が保証されている金融商品ではないのですが、「元本確保というネーミングの安心さ」と「株価上昇の恩恵も受けられるという魅力」につられ、主に銀行の売れ筋投信でした。しかし株式投資に不慣れな個人にとって、この商品の仕組みを理解するのは困難だという見方も多く、販売時におけるリスクの説明責任が重くなる9月からの金融商品取引法の施行後、この種の投資信託が引き続き売れ筋商品であり続けるかどうか、疑問に思っていました。その矢先、しかも野村證券がこの時期に取り扱いを始めると聞いて意外に思ったわけです。
しかし内容を見ると、日経平均株価18000円を基準にすれば、ここから25%(13500円)を超えて値下がりしなければ元本確保、株価水準を問わず約年4.3%の分配金を受け取ることが出来る。一旦25%を超えて下げた場合は日経平均株価に連動するインデックス投信になるが、償還までの2年間のうちに日経平均株価が当初の18000円を超えたら値上がり益が享受できる。勿論約年4.3%の分配金は変わらず手に入る。
「この先、日経平均株価が大きく上昇するとは思わないけど、13500円を超えて下落することも考えにくい。もしあったとしても、再び18000円程度までの戻りはあるだろう。したがって元本を大きく割り込む可能性は少ない。それでいて年4.3%程度の分配金が入るなら投資する価値はあるかな」と、もし思える投資家であればこの条件は悪くないのではないかと感じた。
興味ある方は是非、かつての銀行から出ていた同種の投資信託の条件と比較して見て欲しい。この野村の条件はまともだと感じる人は多いのではないでしょうか。その時々の環境で、条件の良し悪しがあってしかるべしだと思う。だけど・・・。野村證券だから、この条件を引き出せたとしたら、運用会社が相手を見ていたのか、それとも銀行がコミッションを多く取っていたのか。それとも野村證券だからなのか。野村證券だからだと思いたい。