不思議なものですが、あれほど買いたいと思っていたものが今まさに手に入る寸前までくると「まだまだ」と躊躇し、「えーい、やめた」と決断したはずなのに高くなれば「買っておけば」と後悔する。
ついに米ドルは120円の大台を割り込みました。他の通貨を見ても、先週の水準とは絵が違って見えます。日本の株価も、今週末の参院選投票結果待ちで上がる雰囲気はなし、もしだらだらと下げ17000円が見えたら買ってもいいかなと考えていた人も、いざその水準に近づくと何となく慎重になっている。
下げるには理由がある。「サブプライム問題は結構根が深い。今後どんな影響を相場に及ぼすかはわからない」とか、「ヘッジファンドが大きな損を抱え、穴埋めのために利益の出ているものを売っているらしい」とか、「日本株でやられている個人投資家が外国為替証拠金取引の利益を確定して資金を作っているらしい」とか。いろいろなうわさ話が確定した話であるかのように耳に入ると、どうしてよいかわからず、パニックになっている人が少なからずいらしゃるのではないでしょうか。もし当初決めた目標に近づいたら、「冷静なときに判断したことは意味があるもの」として実行をすることをお勧めします。「買った後すぐ下がるのは当たり前」と、下がったとしても受け止められる投資金額であるかだけを自分の中で確認しましょう。
下がっている最中に買うのはしんどいことです。何故なら底で買うこと自体無理な話で、必ず底をつけるまで耐えなければならない時間があるからです。上がっている最中に買うのはある意味で簡単です。買ってすぐ儲かるかもしれません。しかし上がり方がきつければそれだけ天井をつける機会が早く来て、売り時をのがすと大きな損を抱えてしまうことがよくあります。
「安く買って、高く売る」能力に自信のない人は、上がっている最中に投資するのは慎重にして、「ここまで下がったら買い」的な待ち伏せをして、値上がりする時期を楽しみにするやり方をお勧めします。
したがって、今回のように目標まで下がってきた機会をチャンスと捉えて投資した方が良い人が多いと思います。ここがチャンスだというつもりはありませんが、「目標にしてきたところに近づいてきたけどどうする?」と買うにしろ、様子を見るにしろ、後悔しないように自分と対話してみてください。投資と上手に付き合うひとつの方法です。