田舎にある雑貨店になってしまうのか、町の金融機関!!

 田舎に帰るとびっくりするような雑貨店があります。日用品はお菓子など口に入るものはもちろん、洗濯剤や簡単な着物類まで揃っています。「これって何年前のもの?」と思われるプレミアム物まであったりして。しかも商売っ気なし。お客さんが店の人を探しに行く始末。「これでよく商売が成り立つなあ」と帰る度に不思議に思います。住民にすれば、質や値段にこだわらなければ重宝な存在だということでしょうか?いわゆる、この店があれば全てが揃う「ワンストップ」。
 しかし都会ではやっていけません。もっと安い店や、もっと質の高い品物を置き、質の高いサービスが受けられる店がごろごろあるからです。
以前にも書きましたが「どんなことでもご用命下さい」という人で、その道のプロに出会ったことが私はありません。「投資、不動産、保険はもちろん、マッサージ機、ふとん、それからカジノまで案内しますよ。お望みであれば、開運・人生相談も受け付けています」。こういう人は会う度に扱う物が増えているから不思議です。
 この人はいわゆるつなぎの人。紹介するだけの人です。多くの人は専門的な能力が高いわけではありません。「金融機関の将来もこうなってしまうのかなあ」と私は心配している一人です。余計なお世話か。
 預金やローンもやってます。投信もやってます。保険もやってます。宝くじも扱うようになりました。旅行には興味ありませんか。いい先生を紹介しますよ。
 ところで「あなたは誰?どんなご商売?」という時代が来るのでしょうか?
 今後お金に関わる窓口として求められるのは、品揃えを多くすることよりも、多くの品揃えから、「何が自分の目的にあった物なのか」を顧客が選択するためのサポートを行う相談窓口としてのレベルアップではないでしょうか。顧客が誰に相談したらよいのかと、窓口を探さなければならない金融機関が支持されるでしょうか。みんな同じように見える金融機関。特徴のある金融機関をみかけなくなりました。インターネットのインフラを充実させれば、本当にお金の相談をしたい顧客のニーズに応えることができるのでしょうか。預金者・投資家と金融機関の距離はますます離れているように感じるのは私だけでしょうか。